ビジネス、旅行客を捨てた非常識な戦略

2017/4/10

女性をターゲットにした理由

楠木　読者もあまり知らないことだと思いますが、Peachのターゲットは基本的には女性です。「空飛ぶ電車」というコンセプトですから、あまり飛行機に乗ったことのない人にとって価値がある。女性をターゲットにした意図はそもそもどういうものだったのですか？

井上　著者ご本人の前で言うのも何ですが、『ストーリーとしての競争戦略　優れた戦略の条件』を読んで、企業戦略にはコンセプトとターゲットづくりが大事だと感じました。そこで、ビジネスパーソンをターゲットにするのはやめよう、と。

スーツを着ているようなビジネスパーソンを狙ってもマイレージもなければラウンジもありませんから、他社に勝てるわけがありません。

その上で、ツーリストも大事だと分かっていながらも、負け戦をやらないために、ターゲットから外しました。

コメント

注目のコメント

• 楠木 建

  一橋大学 教授

  ・2017年04月10日

  言われてみれば「ビジネス」でも伝統的な意味での「旅行」でもない移動ニーズというのが大量にあるわけで、このターゲティングはヒジョーに面白いと思います。
• 八田 浩

  株式会社ロケットスター 取締役　共同創業者

  ・2017年04月10日

  やはりマーケティングは誰に、何を、どのような価値で、どのように売るか、このコンセプトをどれほどシャープに作るかに尽きますね。作った後はシャープに研ぎ澄ましていく。
• 佐藤 留美

  NewsPicks編集長

  ・2017年04月10日

  「稼ぐ力」Peach編2回目の本日は、同社のターゲット戦略についてです。ビジネス利用とツーリストの両方をターゲットからはずす大胆さ！　女性と若者を主たるターゲットにしたところ、お客さんが自由にPeachの利用法を開発してくれたというストーリーが自然で、聞き入ってしまいました。Peachはデバイスで、アプリはお客さんがそれぞれの価値観で作ればいいんだ、という井上社長の言葉が印象的です。