北朝鮮の核開発問題、中国の助けなくても解決 トランプ米大統領
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北朝鮮の核兵器開発問題は、使いようによっては、米中首脳会談における中国の良いカードになるかもしれません。
経済問題では譲歩できず、南シナ海問題では米国と対立するだけの中国ですが、北朝鮮の核兵器開発に関しては、米国と協力の余地があるからです。
米国が軍事力を行使すれば、北朝鮮との「血の友誼」があるため、強く抗議するでしょう。
しかし、中国は、半島から核兵器が無くなることを支持しています。もし北朝鮮が倒れて、朝鮮半島が統一されるとしたら、経済的にも圧倒的に強い韓国主導で統一が進むことになるでしょう。
その時に核兵器と弾道ミサイルが存在したら、米国の同盟国が、中国の喉元に核兵器を突き付けることになるのです。
中国は、北朝鮮に、日本や米国を核攻撃してほしい訳ではありません。
また、中国にとって、必ずしも金正恩氏が最高指導者である必要はありません。それどころか、未だに北京に挨拶に来ない金正恩氏に対して、中国の指導者たちはいら立ちを隠しません。
中国は、北朝鮮に、中国のコントロールの下で社会を安定させ、おとなしく中国の緩衝地帯として存在し続けて欲しいと考えているのです。
さらに、北朝鮮の核兵器が無くなれば、米国が韓国にTHAADシステムを配備しておく理由がなくなります。
北朝鮮の核兵器がなくなることは、中国が歓迎すべきことでもあるのです。
表面的な協力を強調できない中国は、水面下での協力を示唆すると考えられます。例えば、米国の軍事力行使に際して、中国が参戦しないことを約束することです。
また、情報提供も考えられます。中国は北朝鮮に関して、米国の知らない種々の情報を有しています。
実は、この取引は、中国にとってうまみがあります。中国は手を下さず、汚れ仕事は米国にさせて、結果として、中国に有利な半島情勢を創れるかもしれないからです。
米中首脳会談では、厳しいやり取りが行われるでしょう。しかし、水面下で取引がなされたのかどうかは、米中首脳会談後、米国が中国に対して実際にどのような態度に出るかを見れば想像がつきます。
トランプ大統領は、問題に優先順位をつけます。本来、中国に関する最優先課題は、貿易不均衡等の経済問題でした。トランプ大統領は、さっさと北朝鮮問題を片づけて、中国との取引に取り掛かりたいと考えるでしょう。
トランプ大統領自身が、軍事力行使に傾く可能性は排除できないのです。中国は「いやいや。中国は北朝鮮に影響力がなくてね。説得しても聞いてくれないのです」という言い訳、弁解をしながら、しっかりと中朝貿易、金融支援、決済をしてきた。トランプ大統領は中国に、もう腹をくくってくださいと迫っている。
