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鉄道へのAI適用も進んでいます。
 このような実フィールドでのアクチュエーション(車両や運行が手足にあたります)と頭脳にあたるコンピューティングを合わせたものが本当のAIであり、これ全体がAIの競争の土俵です。両者を持っているのが日立の強みです。
 鉄道でも、流通・物流・証券会社・銀行・製造業に使われているのと全く同じ人工知能(H)が使われています。この多目的に使えるAIと10兆円分の幅広い事業分野によって適用がどんどん拡がっています。
 下記の論文をご笑覧ください。
http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/2016/04/2016_04_04.pdf
鉄のかたまりを納入するのか、鉄道オペレーションを提供するのかの意識の違い。支払い形態が、「顧客が何を望んでいるのか?」を明確に示しています。モンテカルロ法などファイナンス以外で見たことがなかったですが、実際にはこの様な用途なのですね。こんな順調な日立の鉄道事業ですが大きなリスク要因があります。Brexitです。これからの英国とEUとの交渉次第ですが、引き続き拠点を英国に置き続けるのかどうか。関税、雇用など注目です。


引用
「この案件は、具体的な車両数を提示するのではなく、27年にわたり、ある区間に毎日50両の車両を、14〜16時間走らせてほしい。しかも、きちんと納入できた場合のみ、一日単位で支払いをしたい、という内容でした」

日立の車両は、リチャード・ブランソン率いるヴァージン鉄道にも納入され、「あずま」と名付けられた(写真:Chris Ratcliffe/Bloomberg via Getty Images)
この条件を満たすためには、将来にわたって必要なスペアの車両や部品、スタッフの数、オペレーションの方法、罰金の可能性、を全て見積もる必要があった。要は、全ての車両サービスを提供するものであり、「この値段で、車両を売ります」という日本の慣行とは全く違っていたのだ。
ドーマーはそこで知り合いのつてをたどり、オーストラリアの会社を通じて、数学のモンテカルロ法を駆使した計算モデルを開発、27年間のリスクを緻密に計算した。
海外での事業展開の理想的成り行き。素晴らしい。
この話はグローバル化において非常に勉強になるエピソード。
キーワードは以下。
・元々の本国での強み(日本の新幹線技術)
・マーケット/グローバル化に向いた事業CEO
・それができる組織体制
・グループ経営陣の決意
・結果としての変化のスピード(スピードが重要なのだがあくまでそれは諸々を整えた結果)

こういう成功モデルが社内であると他の事業も同じように動きやすそうですね。
素晴らしいです。
27年のコミットを別とすれば、SaaSのビジネスモデルに近いですね。Train as a Serviceとでも名付けましょうか。
"27年にわたり、ある区間に毎日50両の車両を、14〜16時間走らせてほしい。しかも、きちんと納入できた場合のみ、一日単位で支払いをしたい、という内容でした"
この連載について
売上高10兆円、従業員数30万人、日本が誇る巨大重電企業の日立製作所。リーマンショック直後に、史上最大の7800億円の巨額赤字を計上しながら、豪腕リーダーらの改革で蘇り、今やグローバルIoT企業との勝負に挑んでいる。ライバルだった東芝など、電機業界がこの10年で総崩れする中、日立はいかにして勝ち残るのか。その戦略と課題を追う。