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ローマ帝国の衰亡の理由について、昔から様々な論考がなされてきました。

その直接的な原因がゲルマン民族の大移動にあったことは明らかですが、その遠因は、ゲルマン人を同化できなかったローマ文明そのものの衰退にあり、そうなったのは格差の拡大で、文明としての同質性が維持できなくなった為だ、というのはなかなか面白い考えですね。

個人的には、実際のところ文明としてのローマは、三世紀に既に終わっていたのだと思います。
その後ローマ帝国は、ローマ文明ではなく、「キリスト教」の力によってその同質性と、帝国統治の拠り所を維持してきたと言えるでしょう。

確かにローマ帝国は滅びましたが、その後キリスト教は、異教徒であったはずのゲルマン人達を尽く改宗させ、遂にヨーロッパ人として同化することに成功したのだ言えます。
その意味で、現在のEUは、キリスト教によって統合された末期のローマ帝国が現代に蘇った姿だと言えなくもありません。

もし現代のローマ帝国が滅ぶとしたら、それは単なる貧富の格差の拡大が原因ではなく、キリスト教という宗教が、イスラム教を同化できなくなった時だろうと私は思います。
イスラム世界はイスラム世界で、中東の独裁国家の統治の失敗から自己崩壊しようとしていますが、その状況に対し、当初ヨーロッパでは、イスラム文明の崩壊に伴い発生した巨大な難民の群れを、進んで受け入れることこそが、限りないヒューマニズムの実践であると称賛されていました。

そういう安っぽいヒューマニズムを掲げて自ら混迷したのが、今日のヨーロッパなのではないでしょうか。
この記事、紙で読んだけど面白かったなあ。異民族を同化できず、支配者層と民衆の間に亀裂が入ったためにローマは滅んだ、と。