[ワシントン 20日 ロイター] - 米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は20日、下院情報委員会の公聴会に出席し、オバマ前米大統領が昨年の大統領選期間中にトランプタワーを盗聴していたとするトランプ大統領の主張について、裏付ける証拠はないとして否定した。

また米大統領選を巡り、トランプ陣営とロシアが共謀していなかったか、犯罪捜査を行なっていることも確認した。

コミー長官は「オバマ前政権が盗聴を指示していたとするトランプ大統領のツイートを裏付ける情報は持ち合わせていない」とし、「司法省も同様の見解だ」と述べた。

トランプ氏は3月初め、証拠を示すことなく、オバマ氏がトランプタワーの選挙事務所を盗聴していたとツイッターに投稿し、物議を醸した。

コミー長官はまた、FBIが昨年7月から、トランプ陣営とロシア政府の関連も含め、ロシア政府による米大統領選への介入を捜査していることを確認した。ただ捜査は極秘でかつ進行中のため、詳細は明らかに出来ないとした。

米情報機関は、ロシアが民主党有力メンバーの電子メールにハッカー攻撃を加えることで、トランプ氏の大統領選勝利を支援したと結論付けている。コミー長官は、ロシアのプーチン大統領が、米大統領選でトランプ氏に敗れた民主党のヒラリー・クリントン元国務長官を長らく毛嫌いしていたと指摘。裏返せば嫌悪するクリントン氏の対抗馬であるトランプ氏支持に傾くのは明らかとし、情報機関にとっては極めて容易な判断だと述べた。