【寄稿】仕事は「苦にならないこと」で選ぶのが基本

2017/3/21
NewsPicks編集部では、2月20日から3月5日にかけて、学部3年、修士課程1年の就活生を対象に、就職したい会社と業界を聞くアンケートを実施し、東京大学、京都大学などの旧帝大、早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、一橋大学、および神戸大学の学生の回答を抽出、1326人の回答を得た。このランキングを受けて、IT、広告、コンサルなどの業界に詳しいプロピッカーの葉村真樹氏に緊急寄稿してもらった。

四半世紀前と変わらない

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ランキングを見ての「率直な感想」は、以下の3点です。
① 私の大学卒業時(四半世紀前)とほとんど変わらないという思い。
② 違いと言えば、リクルートの順位が上がり、グーグル、ソフトバンク(編集部注*理系ランキング18位)、ワークスアプリケーションズ(理系ランキング9位)などの顔ぶれが見られること。
③ ただ、ワークスアプリケーションズは意外。
恐らく、これを見て、多くの偉いおじさん・おばさんの方々が「やっぱり学生はつまらん」などと感想を述べる姿が容易に想像できますが、私は順当な結果かと思います。というのも、私自身が同じようなものだったからです。
私自身の第1志望は(当時ブームだった)シンクタンクで、それがダメなら総合商社と考え、受けたのは総研4社(三菱、野村、富士、長銀)と総合商社(三菱商事)だけでした。
そして、今私が22歳だったとしても、同じようなランキング上位企業を志望していたと思います。
そもそも、このアンケート調査対象者も、つい3年ほど前は偏差値ランキング表と睨めっこしていた受験生だったわけで、ブランドもの、競争が大好きですから、難度が高ければ高いほど、燃えるわけです。
なお、四半世紀前の私はと言うと、受けた5社の中で三菱総研には振られ、富士総研に入社したのですが、他の人気ブランド企業を袖にするのは、なんとなくカッコいいと一人悦に入っていました。かなりひねくれたブランド志向です。
でも、私は志望企業なんて、それで良いと思っています。海外にも似たような調査がありますが、そこでもグーグルやPwC(これは日本人には意外ですが)といったブランド企業が上位にあがっています。
そこに高い山があれば登りたくなり、行列があれば並びたくなるのが人間ですし、若いうちはそれで良いとも思います。
正直、自分自身のキャリアは流され流されているうちに今があるという結果論なので、私から学生の皆さんにアドバイスできるようなものはありません。
葉村真樹(はむら・まさき)
PwCコンサルティング エクスペリエンスセンター長、ディレクター
Google日本法人にて経営企画室兼営業戦略企画部統括部長、ソフトバンクモバイルにてiPhone事業推進室長、Twitterにて日本市場の広告事業統括および東アジアのブランド戦略部門統括を歴任。世界最大の広告会社WPP傘下のデジタルエージェンシーAKQA日本法人代表等を経て、現職。