【小幡績】トランプ演説に敗れる。「解釈」は事実より強し

2017/3/6
先週、私の株価予想は外れた。
いったい私の何の予想が外れたのだろうか?
株価予想ではない。株価を予想できると予想したことが外れたのだ。
***
2月28日夜(日本時間では3月1日午前11時)、トランプ米国大統領の就任後初めての議会演説があった。毎年、アメリカの大統領が行う「一般教書演説」に相当するもので、トランプはこれまでとは異なり、伝統的なスタイルをとって、一般教書演説としては極めて「普通」の演説を行った。
2月28日夜、就任後初めての議会演説を行ったトランプ米国大統領(写真:Anadolu Agency / GettyImages)
要は、悪く言えば綺麗ごとのエピソードをちりばめ、そのエピソードに関連する個人を招待し、そのエピソードと招待された人間の感動する姿で装飾された演説である。
だから、もともとその中身にはほとんど意味がないのであるが、今回は何より、トランプが伝統的なスタイルに則ったということ、「普通」であったことが非常に高く評価された。
中身については、1兆ドルのインフラ投資や税制改革に言及したが、ここは評価が分かれ、言及したことは(株価上昇にとって)よかったという意見と、1兆ドルの財源を明示せず、税制も具体策がなく、踏み込み不足という見方があった。
トランプの演説自体に関しては、すべて予想通りだった。