巨大銀行はなぜブロックチェーンを研究しているのか?
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よくまとまっている。ブロックチェーンの透明性のある取引からくるその高い信頼性、そしてその構造上の理由でトレードオフとしてスループットはでないという特性を理解した上でユースケースを描くことが大事。全ての課題を解決したブロックチェーンはもはやブロックチェーンではないので普通になることを理解しないとならない。
銀行がプライベートベースのブロックチェーン技術を必死に研究している背景が簡単に理解できる記事。
集中・高負荷が分散・低コストに取って代わることがあれば、金食い虫のシステムコストが大幅に削減され、経費率が抜本的に改善できる。既得権益を享受する既存の金融機関や企業がブロックチェーンを活用出来るか否かは、既に作り上げた中央集権型の仕組みとシステムから、いかに分散型へと移行できるか、に掛かっている。ブロックチェーンによる分散化がもたらすメリットである低コストと高セキュリティという表層的なものに囚われているだけでは、何のしがらみもないディスラプターにしてやられるだけである。
インターネットの出現によって、多くのトラディショナルメディアや小売業界、ホテルやタクシーなどといった事業者がマーケットをディスラプトされてきた。恐らく、ブロックチェーンは同等のインパクトを与えうる。
本稿を読んでもお分かりのとおり、キーワードは、全ての主権がユーザーにもたらされるということであり、そのための技術であるということだ。店舗を持つ旧来型の小売事業者やホテル事業者がAmazonやAirbnbに戦々恐々としているように、ブロックチェーン技術は銀行にとって、そもそもの自らの存在意義を脅かしねない存在である。その流れを断ち切ることは不可能なら、自らに都合の良いように取り込むか、なのだが、恐らくその程度の覚悟では、多くの新規参入者達に荒らされている間に軒を取られる、なんてことにもなりかねない。
そして、本稿の後段で触れられているが、将来のwebがブロックチェーン上で再構築される可能性についても考える必要がある。技術の進歩は既に、意思決定の権限を個人に委ねつつ、その手続きを利便化、省力化する方向にあったことを考えるとその必然性は高い。