【独占】20年後を見据えた投資。中国発ボーングローバルへの期待
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中国No.1エンジェルファンド「チェンファンド」を率いる徐小平氏への独占インタビューの第3回(最終回)です。徐氏が投資したスタートアップには、創業時点から外国市場へ展開するボーングローバル企業が含まれています。中国発ボーングローバルはどんどん増えています。この分野では、アリババやファーウエイなどが有名ですが、徐氏が投資した企業から、第二、第三の巨大な中国発ボーングローバルが育つかも知れません。
3回にわたる徐小平氏に対するインタビューを最後までお読み頂きありがとうございました。是非、バックナンバーを読み返して頂ければ幸いです。
第1回:生ける伝説。中国No.1エンジェル投資家、徐小平とは
https://newspicks.com/news/2052074
第2回:アメリカン・ドリーム・イン・チャイナ。教育者からエンジェル投資家へ
https://newspicks.com/news/2052555「ボーングローバル」というのは大切な視点ですね。
シリコンバレーのスタートアップが世界的企業に成長するのは、最初から世界に向けて製品を作り出しているから。
世界は市場規模が日本の10倍以上あるので、ヒットした時のサービスのユーザー数も、そのスタートアップの時価総額も、シリコンバレーのVCからの投資額も10倍以上になる、という単純なロジックです。
日本で1000万ダウンロードのニュースアプリを作ったら上場ですが、シリコンバレーでは「ああ、そうですか。頑張っていますね。」くらい。
シリコンバレーは近くの都市(サンフランシスコ)だけでは市場規模が十分でないので、最初から世界を目指す土壌があった。
日本には中途半端に市場規模があったので国内市場に満足し、世界を視野に入れる必要がなかった。
だから、日本から「ボーングローバル」なスタートアップは生まれない、というのはよく言われる話です。
ここで凄いのは、中国のスタートアップが国内に巨大な市場規模がありながら、世界を最初から視野に入れたスタートアップが生まれているところ。中国にも元気で気概のある企業経営者が多いということは心強いですが、中国という国の投資環境が悪すぎます。特に、共産党一党独裁下で絶大な権力を握る官僚たちが、企業食い物にしている状況は目も当てれません。法治国家とはいえない中国では、役人が難癖をつけては企業から金を巻き上げたり、あげく、言うことを聞かない経営者を刑務所に送り込んだりすることにも抵抗がない、とお客さんとの会話で知りました。
だからこそ、優秀な企業経営者たちには、自分たちの財産がちゃんと守られるかどうか、常に不安がつきまとうし、「お上」の意向でコツコツ貯めてきた財産を没収されるといった危機感があるからこそ、欧米に移住する企業経営者や富裕層が相次いでいるんだと思います。