フロリダ高速鉄道にも触手。PE化する公共インフラ

2017/2/13
米国のビジネス界で存在感を高める、プライベートエクイティ(PE)。近年、その投資分野は、企業のみならず、公共インフラ、自治体にまで拡大している。全米を席巻するプライベートエクイティの全貌にニューヨーク・タイムズの取材班が迫る(全8回)。 
予告:年収800億円。プライベートエクイティ幹部の3つの収入源

ついにフロリダ高速旅客鉄道まで

プライベートエクイティの枠を次々と打ち破るプロジェクトに乗り出してきたフォートレス。その最も大胆なプロジェクトは、フロリダ州東岸320キロにわたる高速旅客鉄道建設計画と言って間違いないだろう。
2013年にスタートした「オール・アボード・フロリダ」は、約30億ドルかけた5年がかりのプロジェクト。完成後に走る列車「ブライトライン」は、最高で時速160キロに達し、マイアミからフォートローダーデールやウエストパームビーチを経て、最終的にオーランドまでを結ぶ計画だ。
計画通り、今年マイアミ・ウエストパームビーチ間が開通したら(そして成功したら)、このプロジェクトは今後、インフラ整備に民間資金を投入する際のモデル事業になるだろう。
しかしこの野心的なプロジェクトの実現には、地方自治体の後押しが大きな役割を果たしてきた。