危うい幻想「日本のコメは世界一」
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日本企業の経営コンサルタントの仕事をしていた友人の中国人は、中国での日本米のマーケット拡大を見て、米の現地生産を様々な日本企業に訴えたものの誰も乗ってこず、結局抗州の近くで自分で農業企業を創業しました。
有機栽培で名高い北陸の農法を取り入れ、一から土を作るところからはじめて、まともなコメができるまで3年間近くかかったそうです。
現在では耕作面積も二十町歩近くに増え、一般的な中国米の2倍以上の値段ながら飛ぶように売れているとのこと。
昨年には、社員にも日本人の米作りの心を知ってもらおうと、伊勢神宮に社員旅行をするまでになりました。
彼は日本の農業技術は中国よりはるかに進んでいるのに、昔からマーケットがあるところにドンドン進出して拡大してきた日本の製造業と違って、なぜ農家は現地生産をしないのかと、いつも不思議がっていました。
私の周りの一例にしか過ぎませんが、経営コンサルタントが農家を起こすダイナミズムを持つ中国と、既得権益を固守し、新規参入を阻む日本との差を考えると、農産物の輸出ビジネスの先行きも決して安寧とはできないだろうと思います。外国産のお米は、私も何種類も食べ比べしましたが、結構いけるお米がたくさんあります。
記事の中では、日本米が270円/キロ、外国産が170円/キロ(関税相当分含む)と紹介されており、ここまで価格差があると、積極的に使いたくなります。
この記事が出た背景ですが、あくまで私の推測ですが、
(1)昨年(H28年産)は、作付面積が増加して、需給が緩む可能性が高かった。
(2)そこで行政は、主食用米の一部を、飼料用へ向かわせ、結果として需給は引き締まった。
(3)需給の引き締まりは、業務用の価格帯のお米の不足を生み、必然的に業界が安い外国産米に注目した。
という経緯があったのだと思います。
つまり、
●減反はなくなるが飼料米制度により、需給引き締め策は引き続きとられる。
●引き締めが効きすぎると、業界の目は外国産に向き、SBS枠の増枠や、輸入自由化を求める声が国内からも強くなる。
という構図が、これからは、なお一層強くなると思います。
そして、商売することを考えれば、現時点では、
日本米を輸出するよりも、
外国産米を輸入した方がよっぽど商売しやすいと思います。
また、品種や栽培法により、海外でももっと美味しいお米が獲れると思います。
では、どうするのか、ってことですが、
正直、正解はわかりません。
ですが、日本でダメなら海外で作ればいいですし、指導にいってもいいかなーとも思います。
いたるところに青山ありだと思います。