【ドイツ】難民ベビーブームはドイツを救うのか

2017/1/31
日本と同じく人口減少に悩むドイツ。しかし、移民や難民の流入によって、ドイツの出生率は底を打ちつつある。Bloomberg BusinessWeekのCarol Matlack記者がドイツの少子化の現状をレポートする。

33年ぶりの高水準

ドイツが移民や難民の大量流入による政治経済的な対応に追われるなか、ひとつ明らかになったことがある。移民や難民らはドイツが必要としていたものを提供してくれた。
たくさんの赤ちゃんだ。
2015年のドイツの合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は1.5人に上昇し、33年ぶりの高水準を記録した。
国の統計局によれば、上昇の主要因は外国生まれの女性が多くの子どもを産んだため。ドイツ生まれの女性の出生率は1.4人だったのに対し、外国出身の女性の出生率は1.9人以上だった。
「ここでは子どもを産みやすい」と、夫と5人の息子と一緒にシリアからドイツに渡ってきた1年後の2015年に娘を出産した女性は言う。彼女はシリアで4人の息子を亡くしていた。
「子どもたちはドイツでなら生き延びることができる。ここに爆弾はないから」
100万人を超えるシリア難民が流入しているドイツ。難民が出生率上昇に貢献している(写真:ロイター/アフロ)
出生率の上昇は世界最低を記録していたドイツにとってうれしいニュースだ。