[東京 24日 ロイター] - 東芝<6502.T>は27日に取締役会を開き、半導体事業の分社化を決議する。関係筋が24日、明らかにした。原子力事業の巨額減損計上による自己資本のき損を回復させるために、分社化した新会社の一部株式売却の手続きを進める。

取締役会決議を経たのち、3月中にも開催する予定の株主総会の承認を得て分社化する。関係者によると、半導体子会社の企業価値を1―1.5兆円と見積もっており、株式の20%を売却することで、2000億円超の売却益を得る計画だ。半導体の分社化以外にも、子会社などの事業売却も進める。

東芝の綱川智社長は24日、主力取引銀行のみずほ銀行などを訪問し、こうした方針を伝えた。東芝は米国の原子力事業で5000億円超の減損損失を2017年3月期に計上する可能性が出ており、規模が膨らめば債務超過に陥る懸念がある。

東芝の広報IR室の担当者は、具体的な検討状況についての質問にはコメントを控えると述べた。

<投資ファンドや取引先が出資候補に>

東芝は今月19日、半導体部門の主力、フラッシュメモリー事業の分社化を検討していると発表。複数の関係筋によると、同社は、米シルバーレイクなど複数の投資ファンドと秘密保持契約を結び交渉準備を進めてきたほか、キヤノン<7751.T>など取引先や日本政策投資銀行からの出資受け入れを視野に入れている。

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(布施太郎、浜田健太郎 編集:田巻一彦)