【大西宇宙飛行士】ミスは絶対に隠すな。危機管理の鉄則とは

2017/1/10

閉鎖環境試験のプレッシャー

──最終試験の閉鎖環境試験はマンガの『宇宙兄弟』でも印象的に描かれていますが、大西さんは実際にどのような経験をしたのですか。
大西 やはりこの試験が一番きつかったです。会議室ぐらいの小さな施設に、最終選抜に残った10人が1週間缶詰になり、共同生活をするものです。朝から夕方まで、さまざまなタスクを分刻みのスケジュールでこなしていきます。その様子を24時間、マイクとカメラで監視されます。
スピーカーからは試験官の声が聞こえるのですが、とにかくあの手この手でプレッシャーをかけられます。たとえば2チームに分かれ、「人を癒やすロボットを作れ」というタスクが与えられたときには、相手チームに完成品を披露する前に試験官のレビューを受けることになっていました。