ダークマター存在せず? - 「エントロピック重力理論」と観測データが一致
コメント
注目のコメント
エントロピック重力理論は、約6年前に提案された一般相対性理論とは概念的に全く異なる重力理論だ。この理論が正しいとすれば、そのインパクトは一般相対性理論どころではない。ゆえに眉唾ではないかと疑いたくもなるが、エントロピック重力理論のフレームワーク内でニュートンの法則やアインシュタインの重力場方程式が導かれている(※)ので、現在、物理学者・天文学者の間で半信半疑ながら議論を呼び起こしている。
この宇宙で起こる全ての自然現象は熱力学第二法則にしたがっている。つまり、系がエントロピーが増大する方向に変化した結果として出現した現象を我々は見ているのである。では、エントロピーとは何かという疑問が湧くが、かなり横道にそれるためここではあえて説明しない。エントロピック重力というのは、系がエントロピーの増大する方向に変化した時に結果として出現する力の一つであると理解しておけば、この記事の大枠を理解する上ではとりあえず十分だろう。
さて、今回の研究のポイントは、これまでダークマターの存在を仮定しないと説明できなかった現象(観測データ)が、この新しい重力理論を使用するとその仮定なしで説明できてしまったことにある。これは驚くべき研究結果である。先日もニュースになっていたように(※※)、ダークマターは素粒子(ニュートラリーノ)ではないかという説がある程度支持されているが、これを丸ごとひっくりかえすような結果なのだ。もちろん、もっと様々な観点から検証すべきであるので、結論づけるのはまだまだ早い。それにしても、僕らはエキサイティングな時代に生きているなと感じる。
>岡村さん、こんな感じでいかがでしょうか。
>大山さん
この新理論の大枠の中の小枠としてニュートン理論や相対論がある見なすとスッキリすると思います。また、見かけの力というよりも4つの力に類するようなものではないという方が正確ではと。ブラックホールと熱力学は相性がよく、有名なホーキング輻射もブラックホール熱力学から説明可能です。
【※】
"On the origin of gravity and the laws of Newton"
https://arxiv.org/abs/1001.0785
【※※】
「暗黒物質の証拠発見か 国際チームが宇宙で観測」
https://newspicks.com/news/1940429早崎先生のコメントによれば、エントロピック重力理論とは、簡単にいうとそもそも重力なる力は存在せず、エントロピーの増加に伴う現象を観測しているだけ、という事でしょうかね。
という事は、ダークマターがあるとかないとかどころではなく、4つの力の内、唯一説明できない重力がそもそも存在しないのだから、実は統一理論はすでに完成している?という事でしょうか。
まさに今までの理論を全部ひっくり返す様な話ですね。
確かに4つの力の内、グラビトンだけは未だに発見されていないことを考えれば、そんなものはそもそもない、というのは一定の合理性があるような気もします。
ついでに言えば、熱力学で重力が説明できるのなら、ダークマターだけでなく、早崎先生のご専門のブラックホールも、そもそも存在しない、ということになるのかしら。
うーん、でもそうなるとそもそも何故エントロピーが増加するのかという話で、常にエントロピーを増加させる別の力を想定しないと、理屈が合わなくなってくるような…。
宇宙の謎は深すぎる。今度、東京で早崎さんと会うからこの辺の事も色々とおしえてもらおう。今からとても楽しみ。
>早崎さん
お忙しいのに丁寧な解説ありがとうございます。早崎さんの解説は理論がでてきた背景まで書いてあるので素人にもとても分かりやすいです。ただ、解説を読んでて益々聞きたい事増えました。今度日本の冬の味覚でも囲みながら解説お願いします。