「最後のメッセージです」アレッポ市民がTwitterに投稿した別れの言葉
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夏に、ヨルダンにある難民キャンプでシリア難民の方に出逢い、「娘たちがまだシリアに残っている。電話があれば、まだ生きているのだと分かる。」とお父さんが言っていました。
「日本ではどう伝えられていますか」との問いに、「シリアは世界で最も平和で美しい街だったと日本人はみんな知っています。1日でも早く美しいシリアが戻ることを願っています」と涙ながらに答えるしかありませんでした。
亀山さんがおっしゃっていたように、僕たちは天竜人です。あまりこんなことは書きたくはないのですが、長くシリア情勢をウォッチしてきた人間の目から一言。
何故、最後のメッセージなのでしょう。
何故、町が平和になったのに、別れの言葉なのでしょう。
5年に渡ったアレッポの包囲と戦闘は終結し、一部で停戦違反はあったものの、現在赤十字国際委員会の監視の下、反政府軍や退去を希望する市民も既に3000人以上が、イドリブ方面に退去しています。
残兵狩りなどがないわけではありませんが、少なくとも今の所、市民に対する組織的な残虐行為は赤十字からは報告されていません。
市外ではまだ戦闘が続いていますが、東西のアレッポを結ぶバスが運行を開始し、破壊された電気、ガスの復旧も急ピッチでなされるでしょう。
ネットやアラフ系のメディアには戦闘終結に安堵する市民や、退去する反政府軍や市民の姿についての画像などが山のように上がっています。
勿論、アレッポの悲劇は忘れられることではなく、包囲戦術をとり市民の犠牲を多くした政府軍も、市民を人間の盾にした反政府軍も共に責められるべきです。
しかし、普通に考えればらともあれ平和が訪れたことは、まず市民として喜ぶべきことなのではないでしょうか。(思想上の問題はここでは置いておきます)
ては、一体このTwitterのメッセージは何を訴え、それを発信した人たちは、どのような人たちなのでしょう。
そもそも、電気も通じず、電話も遮断され、携帯も不通になっていた包囲下のアレッポで、どうやってビデオをアップしたり、電話やツイートをしていたのでしょうか。
もちろん、それをどのように判断されるかは、受取手次第だと思います。
しかし、私たちの手に届く情報は、必ずなにがしかのバイアスがかかっており、特に戦時中の悲劇や美談は、出来るだけ多方向から情報を得た上で、自分の頭でその真偽を判断すべきことだろうと思うのです。
(追記)
欧米諸国は、反政府軍の組織するシリア国民連合政府(半ば瓦解していますが)を、シリア唯一の正統政府として承認しており、アサド政権は政府として承認していません。
つまり、シリア情勢については、スタンスとして中立の報道ではないという点も考慮に入れたほうがいいと思います。