[ミラノ 13日 ロイター] - イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)<BMPS.MI>は、欧州中央銀行(ECB)から同行が要請した増資計画の完了期限延期を却下するとの正式な通達を13日に受け取ったことを明らかにした。

モンテ・パスキによると、ECBは期限延長により同行の流動性、および資本比率が一段と悪化する可能性があり、存続に対するリスクとなる恐れがあると説明。増資計画を1月に延期することで市況が改善するとの保証もないとの考えを示した。

モンテ・パスキは増資計画の完了期限を3週間延長し1月20日とするようECBに要請していたが、関係筋はロイターに対し前週9日、ECBがこの要請を却下したことを明らかにしていた。

モンテ・パスキは14日開催予定の取締役会で、存続をかけたぎりぎりの取り組みとして市場での資金調達を15日にも開始する条件がそろっているかどうかについて協議する。

2人の関係筋によると、同行はイタリア証券取引委員会(CONSOB)から劣後債の株式転換を再開するための承認をまだ得ていないため、取締役会でどのような結論が出るかは不透明だという。

12日に就任したジェンティローニ首相は最初の閣議を16日以降に行う見通しで、モンテ・パスキ支援に向けた法令の署名が最初の仕事になるかもしれないとの見方もある。

政府筋はこれまで、市場での調達が不調に終わった場合は政府は介入する用意があると表明している。ただ、公的支援は劣後債保有者に損失の負担を迫る内容となりそうだ。

*内容を追加しました。