【イラスト図解】“海のF1”の技術進化、「空飛ぶ船」の誕生
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<追記>ダガーボードの構造と動作についての図解を追記しました。
昨夜のCWC決勝における鹿島の戦いぶりには激しく興奮させられましたが、実は先月、福岡では世界最古のカップ戦が開催されていました。といっても「ヨット」のお話。「アメリカズカップ」の150年を超える歴史と技術の変遷を、元海洋堂の造形師である山本拓哉氏のイラストで図解しています。良い、これこそ待ち望んでいた解説。ソフトバンクチームジャパンに履歴書を送ってみごと落とされた黒歴史を持つ私としては、NPにしっかりとした船体技術の解説が出るのはかなり嬉しい。福岡大会はもちろん行っているし、ポーツマス大会はヨットから見たことがある。
おおきな括りとしてもう一つ説明してもいいのは、AR技術だろう。ヨットレースはTV観戦では特に状況が掴みにくいが、ルイヴィトンカップの動画ではレイラインや潮流、ヨット間の相対的な距離など、選手でしかつかめない各種情報がわかりやすく表示される。ヘリから撮影した映像と、各ヨットから収集した情報をネットワークで繋げ、エンターテイメントとしての質を向上させている。
また、昔と比較して大きく向上したもう一つの技術は、クルーの着るユニフォーム。私もマストのHPXという世界一周でも使わえるようなヨット服を持っているが、その性能は昔ながらのゴム引きとは比較にならない。保温性能、通湿性能、防水性能など、あらゆる側面での性能向上が、アスリートの力を引き出している。
ちなみにせっかくのオラクルのスポンサー記事なのだからウィングセール開発とアメリカズカップにラリーエリソンが果たした役割は、がっつり書いてもいいだろう。ウィングセールの登場は衝撃だった。それにともなうモノホールからマルチホールへの技術の置き換えで、一般的なディンギーとは大きく異なる世界にアメリカズカップとワールドシリーズは変容してしまった。
さらに言えば、ボルボオーシャンレースとベンディグローブ、ここで繰り広げられる男たちの戦い、これも面白いですよ。
いや、書きたいことはかなりあるが、このぐらいで。
from a RYA/MCA Yachtmasterヨットレースはとても複雑で科学的な反面、経験や判断力、そしてチームワークが必要とされる面白いスポーツです。
一方で、生命の安全が保証されていない危険なスポーツでもあります。数年前は、スウェーデン(アルテミス・レーシング)のチームの1名(五輪金メダリスト)が練習中に落水し亡くなった事故がありました。
近年は、大学など若年層のヨット人口が縮小していることを肌に感じます。魅力だけでなく危険性も含めて、ヨット活動をより広めていきたいと思っています。