中国はトランプ歓迎ムード。「ヒラリーにならないで良かった」

2016/11/12

リバランス見直しに期待

本命ヒラリー・クリントンを打ち破って誕生したトランプ次期大統領の登場は、アジアの国際環境に大きなインパクトをもたらしそうだ。
その最大の焦点はやはり米中関係だ。トランプと中国。何となく直感的に相性が良さそうな気もするのだが、実際のところ、どうなのであろうか。
中国の習近平国家主席はさっそくトランプに祝電を送った。
「私は中米関係を高く重視し、あなたと一緒に努力していきたい。衝突せず、対抗せず、尊重し合い、ウィンウィンの協力を原則に、二国間、地域、グローバルの各レベルで協力していく。建設的な方法で食い違いをコントロールしたい」
中国外交部のスポークスマンも、米国との間の貿易摩擦が増える可能性を問われた時、「中米関係のなかの特定の問題については、両国ともWTOの重要なメンバーであり、現時点で成熟した制度と方法によってこれらの問題を処理する。中米両国とも妥当に問題が処理できる成熟した国家だ」と述べるにとどめ、具体的なトランプ政権への対応については言葉を濁した。
新華社などの公式メディアの報道や論評も、総じていえば、ある種の「期待感」を込めつつ、トランプの本音を見るまでは、しばらく慎重に観察しておこうというスタンスだ。
その期待感とは、当然、従来の米オバマ政権で始まったアジアのリバランス政策とTPP(環太平洋パートナーシップ協定)推進の見直しを、トランプが打ち出している部分に込められているものだ。