【伊賀×岩嵜】今、技術者に求められるのは「共感力」だ
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注目のコメント
大統領選の影響か、あまり人気ありませんね、ここ。トピックとしては良い話をしているのですが…。
デザイン・シンキングに関連して、個人的にはNP副編集長の佐藤さんのコメント「デザインやクリエイティブなど科学的再現性がないものは低く評価されがち」には激しく同意するが、そもそもデザイン・シンキングのアプローチ自体、それを極力タンジブルかつ再現性を持たせようとしたものだ。
しかし、現実には、本稿にあるように、「結局、誰でもやれることではない」というのが現実。共感性とヒューマニティーが必要、言われると「なんじゃ、そりゃ」ということとなってしまう。だから、結局「訳わからん」となってしまう。
しかし、多くの企業がAppleに憧れ、多くの人がSteve Jobsに憧れるのも一方で事実だ。そして、忘れられがちだが、Steve Jobsが優れているのは経営者としてではなく「デザイナー」としてということだ。しかも、歴史上稀に見るレベルの「デザイナー」だ。彼の偏執的と言っても差し支えない拘り、それは「美しい」「かっこいい」という人間の感情を最大限重視する姿勢だ。そして、彼はその資質を天賦の才で持っていたのである。
個人的な話になるが、ソフトバンクでiPhone/iPad事業の責任者として、iPhone4のローンチに携わったが、事前人気が高かったホワイトモデルが、Jobsの「思った色と違う」の一言でローンチが1年近く遅れる、ということがあった。周りは皆呆れていたが、私はさすがと尊敬の念を強めたことを覚えている。
デザイン・シンキングとは何かと端的に答えるならば、誰もがSteve Jobsになるための姿勢ということが出来るかもしれない。Steve Jobsは他人への共感性が低く、利己主義な男なのに、と思うかもしれないが、彼は誰もが気づくことのできない心理の深層とそれへの洞察を、自らの感情として生まれながらにして持っていたに過ぎない、というのが私の仮説だ。
こう言えば、多少はデザイン・シンキングに興味を持つ人は増えるだろうか?スポーツ普及に対してアクションリサーチを行う。
これ僕の博士論文のテーマなんですけど、アクションリサーチとデザインシンキングって派生は同じでかなり似ているんですよね。
なのでスポーツ普及をデザインシンキングで行う、ということも出来るかなあと。対談で岩嵜さんが調査を旅になぞらえているのはなるほどなと思いました。旅は旅でも、計画的に行き先・目的を決めて遊び尽くすものと、目的を決めずゆるりと過ごしてその中で楽しみを見つけていくものがありますよね。
エスノグラフィ調査を行う時、「さぁ、数多くのインサイトを見つけてやるぞ!」と意気揚々と現場に乗り込んでいく人がいると、「おや?と思えることが一つでもあれば儲けもん、そう肩肘張らずに」と伝えています。(大体そういう方に限って、観察が始まって一時間くらいで疲れ切って魂抜けちゃっていますね。)
一方で、限られた時間・予算のプロジェクト内でこういった調査を行う時、何か見つけなければという思いになるのは致し方ないことだなと思います。エスノグラフィ調査が、特定プロジェクトの特別な活動ではなく、普段から当たり前のように行われるようにしていく、そんな仕組み作りやマインドセットが大切だと思います。