【伊賀×岩嵜】日本でデザインシンキングが理解されない理由
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うーむ、問題提起は良いのだが、二人の会話が既に「デザインシンキング」を理解していない人には分かりにくい...。私自身、読んでて置いてけぼりになりかけた(苦笑)。
私が説明するときには、デザインシンキングとは、ビジネスやテクノロジーという供給側の論理で思考するのではなく、人間という需要側の論理で思考することと説明している。
そのため、クリティカルシンキングとの対比では、特に最初の分析のアプローチが異なってくる。
クリティカルシンキング:ロジックツリーに従って、MECEにマクロな定量データを分析し、イシューをあぶり出し、解決策を見出す.
デザインシンキング:個々人の人間の行動に対する観察や心理的状況を定量的/定性的(本稿にあるように必ずしも定性データだけではない)に把握した上で、人間行動に対する「洞察」からアイデアを出す。
さらに言うならば、両者ともに、プロセス全体としてはPDCAを回すことには違いはないが、デザインシンキングにおいては、要件定義でウォーターフォール式に開発を進めるのではなく、プロトタイプを作ってはアジャイルで開発して最適化を進めていく(つまり、PDCAもヒューマンセントリックに高速で回していく)のが特徴だ。なお、ここのPDCAプロセスはきわめて「ロジカル」に行われる。
そもそも、デザインシンキングが注目された背景には、全てのイノベーションは、人間の機能拡張の先にあり、人間も見つめなおすことこそが、イノベーションの源泉となるという考えがある。デザインシンキングは、まさにヒューマンセントリックアプローチであり、多くのコンサルティングファームがデザインファームや広告会社を買収するなどで、デザインシンキングを取り入れているのは、これが理由だ。
デザインシンキングのコンサルティング事業への導入は、まさに私自身、現職で取り組んでいるもので、個人的にも非常にホットなトピックだ。本連載が少しでも多くの人のデザインシンキングに対する理解を深めるとともに、興味を高めてくれることを期待する。理解ではなく体験の方法論であるにもかかわらず、従来型の理解のさせ方をするからでしょう。ロジカルシンキングと対比するとか定義を確認するようなこのような導入はもう読み手のマインドセットをロジカルにセットすることを助長してます。
多くのビジネスリーダーが語るデザインシンキングは嘘ばかりです。ネイティブ以外は実際のデザイナーのものの捉え方や体の動かし方を文字ではなく体験を通じて学ぶこと以外では身に付かないと理解しましょう。突然の旧友登場にびっくりしたが、岩嵜とは大学時代にシリコンバレーへの視察旅行や、北京からモスクワまで7泊8日のシベリア鉄道行を共にした仲。その時からすでに、単なる鉄道の意匠や性能に止まらず、運行オペレーションや車内設備も含めて、ロシアの鉄道におけるデザイン思想は、厳しい自然環境に対応した冗長性であると喝破していた。
一つ突っ込むなら、シンキング業界をmutually exclusiveに分けて、ロジカルとデザインを対比するのは分かりにくい。そもそも枠外がある時点でMECEではなく、定性調査が漏れている時点でも誤ったアプローチでロジックを立てているので、要素分解よりも、アイディアやインタラクション、統合を重視する思考法と考えた方が良いのではないだろうか。