【すしざんまい木村社長】大事なのはハートと夢

2016/11/4
昭和。それは、古臭くなりつつあるが、日本が未曾有の成長を遂げた偉大な時代でもあった。昭和に生まれ、今なお活躍する“怪物”たちは今何を考えているのか。現代のイノベーションのヒントを“昭和の怪物”に学ぶ。今回のゲストには、「マグロ大王」として知られる、すしざんまいの木村清社長を迎えた(全5回)。
第1回:マグロ大王、木村清が語る「世界の魚市場」
第2回:ソマリアの海賊だって、漁師にできる
第3回:築地問題にモノ申す
第4回:豊洲の観光構想がダメになった理由

日本人はいい人すぎる

――すしざんまいは、日本の寿司文化の象徴とも言えます。いま木村さんは世界への進出も考えていらして、2店舗くらい具体的に進んでいるそうですが、もし世界戦略がありましたら、お伺いしたいんですけれど。
木村 日本の食文化を正しく正確に伝えていくために、海外にも寿司職人養成の学校をつくろうとしています。そこで教育をしていかないと本物が育たず、成り立たなくなってしまうので。
それから、いま日本が世界に和食を広めていくのに、各国を応援するのはいいんです。今回もベトナムを応援している。
ところがベトナムで炭素マグロをアメリカに売りだしたのがいる。一酸化炭素で赤くしたマグロなんか、寿司や刺身で食ったらまずくてしょうがない。悪くなっても変色しないんだから、食中毒を起こしちゃいますよ。
そういう国に遠慮するというのは、どこか違うんじゃないかと思いますね。