[東京 25日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸した。米株高や円安などを好感し序盤から買いが先行。好決算銘柄が買われたほか、業績下振れ観測が報じられた銘柄が上昇したことで業績懸念が後退し、日経平均は約半年ぶりの高値となった。東証1部に新規上場した九州旅客鉄道 <9142.T>が堅調な滑り出しとなったことも投資家心理の好転に寄与した。

日経平均は一時147円高となり、1万7300円台を回復。終値では4月26日以来の高値となった。業種別では輸送用機器や電機機器、銀行など主力株が強含み、指数上昇を支えた。

好決算銘柄も堅調。前日に2017年3月期(国際会計基準)の利益予想と配当予想の上方修正を発表した日本電産<6594.T>が一時6%超の上昇となり、年初来高値を更新したほか、9月中間期が一転最終増益見通しとなった塩野義製薬<4507.T>も買われた。

17年3月期の業績下振れが伝わったマツダ<7261.T>、富士重工業<7270.T>がともに買われたことも地合いの強さを示した。円高による業績予想の下方修正懸念は織り込み済みで、「販売が堅調など本業がしっかりしていれば株価はプラスで反応する」(国内証券)という。

もっとも東証1部の売買代金は2兆1160億円と、売買代金トップだったJR九州分(2736億円)を除けば実質低水準だった。朝方の売買一巡後は値動きが乏しくなり、日経平均の後場の値幅(高値と安値の差)は約41円にとどまった。

SMBCフレンド証券(訂正)チーフストラテジストの松野利彦氏は「円高リスクの後退とともに下期業績が持ち直すとの期待感が広がっている。ただ商いは盛り上がりに欠け、テクニカル面での過熱感を考慮すると、米雇用統計や米大統領選などを受けていったん調整してもおかしくない」と述べた。

好業績銘柄への物色が目立つ一方、業績悪化銘柄には売りがきつかった。2017年3月期の当期利益予想をゼロに減額した上、無配見通しと発表したIHI<7013.T>は前日比9%超の大幅安。想定以上に通期見通しを引き下げたJSR<4185.T>も反落した。

きょう東証1部に新規上場したJR九州の初値は公開価格を19.2%上回る3100円となった。初値形成後は利益確定売りに押され、終値は2990円だった。

東証1部騰落数は、値上がり1243銘柄に対し、値下がりが585銘柄、変わらずが157銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      17365.25 +130.83

寄り付き    17298.63

安値/高値   17298.63─17381.8

TOPIX<.TOPX>

終値       1377.32 +9.71

寄り付き     1372.45

安値/高値    1372─1378.96

東証出来高(万株) 176222

東証売買代金(億円) 21160.48

*6段落目の「SMBC日興証券」を「SMBCフレンド証券」に訂正します。

(杉山容俊)