ドゥテルテは狂人ではない。本質は「リアリストの左翼」だ
コメント
注目のコメント
米国はフィリピン人に「独立させてやるから」と騙して宗主国のスペインと戦わせて、スペインが降伏すると米国は約束を反故にしてフィリピンを米国の植民地にしました。当然怒ったフィリピン人が抵抗すると軍隊を出して彼らの虐殺を始め、彼らの家族も捕まえて家に火をつけ拷問して殺しました。
米国スペイン戦争は1898年4月に始まり8月にスペインが降伏していますが、戦争はなぜかその後4年も続き、1902年に終わっています。何をもって終わったか、というとフィリピン人の抵抗が鎮圧された、もう米国の植民地支配を認めますといった時まで続いたことを意味しています。しかも、その4年間で米国はレイテ、サマールの2つの島の島民を皆殺しにするなど「20万人のフィリピン人を殺した」と上院の公聴会の記録に残っているほどです。
だから、フィリピン人がアメリカ人に「お前ら、どんだけ同胞を殺したんだ」という権利はあると思ってます。フィリピン政治を理解する上で「左翼」という言葉は重要なキーワード。左派が、この記事にあるように、既得権益層に対して異議申し立てを行う。この記事の視点は面白い。ドゥテルテについて、センセーショナルに取り立てるだけの記事は読む価値がない。そうした記事の書き手は何を意図しているのか。センセーショナルに書いて読まれればそれで良いのか。その結果、フィリピンに対する不正確な理解が、正確な理解を凌駕してしまいかねない。
これは大変役に立つ記事です。フィリピン政治における非主流派に属し、社会主義者でナショナリストでもあるドゥテルテ大統領が、かつてないフィリピンの姿を見せている。反米とか狂人とかレッテルを貼っていても仕方がありません。この国が新しい路線を取り始めた現実と向き合って、対フィリピン外交、南シナ海戦略を軌道修正していくしかありません。この状況で安倍政権がどんなアプローチを見せるのか、注目したいと思います。