【3分読解】東大が世界で勝つための「7つの宿題」

2016/10/24

東大の強みと弱み

東大は日本の大学の象徴である。日本のトップである東大を通じて、日本の大学全体の課題が見えてくる。

では、東大は世界やアジアのライバルと比べて、どこに優れ、どこに劣っているのだろうか。

それをタイムズ・ハイアー・エデュケーション（THE）のランキングを分析しながら探っていこう。

最初に、THEのランキングについて紹介すると、以下のような指標と配分で採点されている。

そして、東大の最新のランキングの内訳を見ると以下のようになっている。

グラフからわかるように、東大の強みと弱みははっきりしている。

教育力、研究力で高スコアを記録する一方、研究の影響力、国際性、産業界からの収入が足を引っ張っているのだ。

このスコアだけではわかりにくいので、アジアの主要大学と日本の大学を対象にした項目別のランキングを見てみよう。

コメント

注目のコメント

• 高岡 浩三

  ケイアンドカンパニー株式会社 代表取締役

  ・2016年10月24日

  母校の神戸大学からも、ランキングが圏外なのでどうにかしたいという相談がくる。お金が無い、経営体質が古く意思決定が遅い、国際性に欠ける、等々。面白いことに、総じて日本の経済界とも重なる。私は、日本がバブルを迎えて世界第二の経済大国に成長したとき、「西洋に学ぶべきものがない」とまで自惚れた日本が、経済界も日本的経営こそが全てでMBAを否定し社内教育に集中したり、政府も英語教育に本腰を入れないまま今日に至ったことが大きな敗因の理由だと見ている。今や、即効薬など無いが、アベノミクスでの成長戦略の三本目の矢に、戦後最大の教育改革があるべきで、それなくして日本の将来の成長はあり得ないと確信している。
• 中村 伊知哉

  iU（情報経営イノベーション専門職大学） 学長

  ・2016年10月24日

  国際性が低いのは教員の問題ではあるが、「日本の大学は、教授であっても書類作成、入試業務などさまざまな雑務を強いられる」という指摘のとおり、研究に集中できない環境が国際的な人材を獲得するネックになっている。
  「スタッフ陣が充実しており、教授が研究に集中できるシンガポール国立大学との大きな差になっている」というのは耳が痛い。日本はスタッフが教員の数分の一だが、ぼくがいたMITメディアラボはスタッフが教員の倍ぐらいいた。
• 高橋 孝輔

  株式会社DEERS FOOTBALL CLUB 代表取締役

  ・2016年10月24日

  「東大卒業生に大金持ちが少ない」
  
  これが全てでしょ。
  ほとんどの学生が日本の官僚、終身雇用の大企業社員、医師、弁護士、会計士になる大学で世界のランキングが上がるわけ無い。
  
  もっとも東大に世界のランキングが必要かどうかは別の問題だと思います。