アジア新王者、シンガポール国立大学はどこがすごいのか
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東大を抜いてアジア最高学府となったシンガポール国立大学の実力に迫りました。何人かの現役生と卒業生、シンガポール人と外国人、両方に数名あいましたが、とにかく、よく勉強するという印象でした。
一方、NUSから日本に留学した経験のある学生もいます。もともと日本に縁のあるような学生もいれば、漠然とした興味から留学したという学生もいます。話を聞いていると、日本語を学ぶこと自体が苦にならないような人ばかりで、むしろ、日本だからこそ学べることを強調していました。
日本になぜ留学するかをシンガポール人から力説され、こちらが気づかされることが沢山ありました。
日本は大学に対してべんなく補助金を出すよりは、ここぞという大学、学部、研究室が外国からの優秀な学生を集められるような情報発信や、サポートスタッフの雇用(先生や研究室で対応するのは大変)を支援するなどの方が意味があるのではないかと感じました。
日本に日本語を学んで、わざわざ来てくれる留学生は貴重です。そうした留学生に対する強力なバックアップ体制と、なによりも日本で学べて良かった、学ぶところの多い国だと思ってもらえるような国と社会にして行く必要があると痛感しました。
こうした留学生とのネットワークは、抽象的な国際化だけでなく、将来のビジネスネットワークや研究ネットワークの形成で強力な存在となるでしょう。
今回は基本的な情報と学生からの視点で記事をまとめましたが、今後、シンガポールの各大学や、新興国からの学生集めの上手いマレーシアの大学、タイのMBAスクールなど、ベトナムやマレーシアで日本との協力で開講した大学など、高等教育に対するリサーチは進めて行きたいと思っています。人工知能の松尾先生のように、東大とNUSの両方に拠点を持って研究している人に話を聞くと、NUSの研究環境が東大より魅力的なのは明らか。本稿にもある学長を始めNUSのトップは大学運営のプロとして、日本の学長とは比較にならない報酬を得て、グローバル企業のトップマネジメントのように資金面に集中できている。
あと、イェールの本校より成績のアベレージが高いとされるNUS-イェールのジョイントカレッジの開設とか、妻も来月参加するけどエグゼクティブ向けのプログラムも多数あったりと、お金がしっかりと落ちるマーケティング上の仕掛けも、とても優れている。NUSの公共政策大学院の卒業生に話を聞いたところ、留学生がほぼ9割を占めており、マレーシア、中国など近隣国から多くの学生がきているそうです。
シンガポール政府から奨学金を得ている生徒も多く、卒業後は、奨学生の義務としてそのままシンガポールの公的機関で働く人や、シンガポールに移民する人もいるとのこと。留学が、高度移民を受け入れるフィルターのようになっているそうです。
東大大学院を卒業した留学生も、日本での就職にはかなり苦戦すると聞きますので、そのマッチングを強化すると、留学生にとっても、日本全体にとってもいいですね。