アミューズ「1強」。アーティストは海外の壁を超えられるか

2016/10/6

「九ちゃん」以来の悲願

サッカーでいえば本田圭佑、野球でもイチロー、映画ではジブリ、ゲームもポケモン、今やスポーツやコンテンツの世界で、海外でも広く知られる人や作品の名前を挙げるのはそれほど難しくない。
だが、実は、音楽ではなかなかその突破口が開いていない。
松田聖子、DREAMS COME TRUE、X JAPANにUtada…、並み居る大物アーティストたちがこれまで海外進出に挑戦しては、特に米国で、その厚い壁に跳ね返されてきた。
そんな中で、唯一の例外は1人だけ。坂本九だ。
1961年日本で「上を向いて歩こう」として発売された作品は、2年後の1963年に米国で「SUKIYAKI」となり、6月に米ビルボードで3週連続の1位となる大ヒットを記録した。
これは現在に至るまで、アジアの楽曲として唯一の1位だ。
だが、長年にわたる米国挑戦の苦戦も、国境を超えたデジタル配信時代になり、ようやく少し手がかりが見えてきた。その象徴が、特集で紹介してきた宇多田ヒカルの新作「Fantome」のiTunes全米3位だろう。
しかも、宇多田だけではない。
2016年は、4月にヘビーメタルのガールズグループ「BABYMETAL」がビルボードのアルバム・チャートで、坂本九以来53年ぶりとなるトップ40位に入る快挙を成し遂げた。
ほかにも、今は多くのアーティストが、活動の初期段階から、果敢に海外でのファンに作品を届けようと挑戦を続けている。
以下は、主に会員数1億人の定額ストリーミング配信「スポティファイ」で集計した海外で聞かれる主な日本人アーティストの月間リスナー数のランキングだ。