独バイエル、米モンサント買収で合意 1株128ドル=関係筋
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これで種苗・農薬大手のガラガラポン完了。DuPontがDowと、SyngentaがChemChinaと、そして残っていた最大手のMonsantoがBayerと。にしても一気に変化が起こった…
半年前の中国化工による430億ドルのスイスのシンジェンタ買収が記憶に新しい。昨年米国モンサント自身がシンジェンタの買収を仕掛けていたが価格で折り合わずディールが流れた。そして中国化工が漁夫の利を得た。今度は時価総額850億ドルのドイツのバイエルがそのモンサントを660億ドルで買収する。スイス、中国、アメリカ、ドイツとこれがグローバルM&Aの現実なのだ。世界的な低金利がメガディールの背景にある以上、今後もグローバルなメガディールは加速する。
大気汚染や水質汚濁等の規制は年々強化されており、農薬の化合物の探索から実際に新薬発売に至る可能性は「14万分の1」。
30年前から10倍近く難しくなっていると言われており、世界の化学大手で規模追求を狙った巨額買収再編が進んでいます。
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提示した買収総額は620億ドル(約6兆8,200億円)。ドイツ企業の国外企業買収では、ダイムラー・ベンツ(当時)が1998年に米クライスラー(同)を約400億ドルで事実上買収したのが最高額でしたが、今回の提案はこれを上回ります。
農薬に強いバイエルと、種子に強いモンサントの買収。新興国では気候変動に耐え得る種子の需要が拡大しており、農薬の販路を利用した種子×農薬のセット提供で攻勢をかけると見られます。
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買収の合意がなされたとの今回の記事ですが、恐らくここからが大変。世界の超巨大M&Aは遅々として進んでいない印象です。
2015年は世界的に大型M&Aブームで、M&A総額は過去最高となり5兆ドル(約540兆円)を突破しましたが、シェルとBGの統合や、飲料大手のABインベブによるSABミラーの買収など、買収が完了していない案件が多い。
これは規制当局の承認を得ることが難しく、かなりの時間を要することが原因として挙げられます。ただでさえ化学薬品業界はシビアなジャンルなので、買収完了まで長い時間がかかってしまう可能性がありそうです。
〈参考〉日経電子版(有料)
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO02685450T20C16A5FFB000/