10億円かけて未解決の課題を、5時間で解けた理由

2016/9/14

2社のコンサルが失敗した案件

──前回は濱口さんが使う思考のフレームワークについて伺いました。実際のプロジェクトに取り組む際は、どういう動き方をするのですか。
濱口 数年前に行った、ソフトウェア会社のカスタマーサポートセンター(CS)の事例をお話しします。
その会社のCSには、「途中で電話が切れる」「たらい回しにされる」「同じことを繰り返し聞かれる」などのクレームが相次ぎ、顧客の満足度が低いことが課題でした。
この状況を改善するため、10億円でコンサルファームを雇い、1年間のプロジェクトを行いました。しかし、何の成果も上がりませんでした。そこで別のファームを、同じ10億円で雇ったのですが、それでも思うような結果が得られませんでした。
そこで、僕に名指しで連絡がありました。しかも相手の要求は「すぐに来てほしい」とのことでした。
最初のプレゼンまで5時間を切っており、僕に残された時間は、オフィスでの1.5時間と、クルマで移動する3.5時間だけでした。2社のコンサルファームが20億円かけて行ったプロジェクトに、5時間で勝負をかけなければならなかったのです。