(Bloomberg) -- 三井住友トラスト・ホールディングスが2007年から運用する日本株ロング・ショート・ファンドの清算を進めていることが明らかになった。特に昨年夏以降の株価低迷などで運用成績が振るわず、解約により運用額が1000万ドル(約10億円)程度に減少していた。

JPモルガン・アセット・マネジメントも1日付で日本株ファンドを清算したほか、香港のミリアド・アセット・マネジメントのファンドも5月に清算するなど、日本株市場で運用するファンドの閉鎖が目立ち始めた。

関係者によると、清算するのはSumi Trust Japan LS I Alpha。12年には運用資産が1億ドル程度(約103億円)まで膨らんでいたが、今年6月末までの過去1年間の収益率はマイナス7.88%に落ち込んでいた。14年はマイナス0.17%、15年もマイナス9.46%などと振るわなかった。シンガポールの調査会社ユーリカヘッジによると、日本株ロング・ショート戦略の平均は14年が5.0%、15年が5.72%。

三井住友トラストHDの広報担当はコメントを控えた。

昨年来の中国経済変調や英国の欧州連合(EU)離脱問題などが響き、リスク回避の円高が進行。日経平均株価の年初来騰落率はマイナス10.5%と振るわない。シカゴ拠点の調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、日本市場で運用するヘッジファンド運用額の純減額は、今年1-6月で17億5500万ドル(約1800億円)と、少なくともこの2年で最大となっている。

--取材協力: Klaus Wille 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 伊藤小巻 kito@bloomberg.net, 東京 Kathleen Chu kchu2@bloomberg.net, 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 宮沢祐介 ymiyazawa3@bloomberg.net, 持田譲二, 平野和

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