5兆円を稼ぐピカチュウ。ミッキーを超えられるのか?

2016/8/17
「ポケモンGO」のヒットによって改めて明らかになったのが、日本発キャラクターの人気の強さだ。任天堂のゲームが生んだ超人気キャラクターといえば「スーパーマリオブラザーズ」のマリオが浮かぶが、世界を見渡せば、キャラクタービジネスにおけるミッキーマウスと王者ウォルト・ディズニーの存在は大きい。強いキャラクターはどのように作られるのか。本稿では、キャラクター文化やキャラクターマーケティングの視点から見たゲームを読み解いていく。

世界5兆円キャラ、ポケモン

1990年代後半のゲーム史上に残る大ヒットゲーム、ポケモンこと「ポケットモンスター」が誕生したのは1996年2月のことだ。当初は、ゲームボーイ用ソフトとして発売された。
このポケモン、ビジネスとしてもまさにモンスター級だ。ポケモン関連ゲームソフトの累計販売数は世界2億8000万本強。映画やグッズ販売などを含め、これまでに世界で累計4.8兆円もの売り上げを叩き出してきたのだからすさまじい。
もっとも、このキャラクタービジネスの世界で最も成功していると言われるのが、米ウォルト・ディズニー擁する「ミッキーマウス」だ。アニメーション映画が誕生したのは約90年前と長い歴史を経て世界観を作り上げ、ゲーム層に限らず老若男女に愛されるキャラクターとして君臨している。
テーマパーク「ディズニーランド」での強烈な顧客体験や、グッズ販売のチャネルも極めて強い。ウォルト・ディズニーのライセンスで生み出される世界中の物販売上高は年間約6.3兆円(525億ドル、2015年。「License!Global」調べ)というから桁違いだ。