フローラン・ダバディが導く「語学で遊ぶ」思考

2016/8/14
特集最後は、元サッカー日本代表のトルシエ監督の名通訳として活躍し、7カ国語を操るスポーツ・ジャーナリスト、フローラン・ダバディ氏が登場する。「機械翻訳は語学のファスト・フード」と定義する一方で、英語を学びたい人に「苦痛な語学の勉強はしなくていい」とアドバイスする。その真意とは何なのか?  

機械翻訳は辞書のファストフード

──この取材の依頼のメールにダバディさんが、「機械翻訳は辞書のファスト・フード」と返信してくれたことが印象的でした。
ダバディ グーグル翻訳は私も使います。私はスポーツ・ジャーナリストなので、たとえばロシアのドーピング問題など、現地の情報を知る必要があります。でも、情報収集のためにロシア語通訳を頼む予算はありません。機械翻訳の訳は多少間違っていても、こんなことが書いているのだろうという推察にはなります。
ファスト・フードという言い方が適切かはわかりませんが、「コンビニ食」とでもいいましょうか。困ったときや、時間も予算もないときに、最低限の作業をしてくれるツールではあると思います。