人気作家は乗るか? アマゾン「読み放題サービス」上陸

2016/7/20

“チラ見せ”は許さない

2016年6月18日、アマゾンがかねてより準備していると噂されていた、電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」の日本版ホームページが、インターネットサイト上で見つかった。
「探検する自由。月額わずか980円で、5万5000冊を超えるタイトルと数千におよぶオーディオブックへの無制限アクセスをお楽しみ下さい」
アマゾン側が誤って“フライング”で公開してしまったもので、すぐにインターネット上から削除されたが、その内容はまたたく間に広まった。
コンテンツ産業ではデジタル化に伴って、音楽、そして映画・ドラマでは月額定額制のサービスが広まりつつある。そして本やコミックの分野でも、NTTドコモが提供する「dマガジン」は、数百万人のユーザーを抱えるまでに育った。
しかし年間1兆5220億円(2015年)の規模をほこる出版産業において、書店としては国内最大規模のアマゾンが本格参入するとなれば、そのインパクトは計り知れない。
複数の出版関係者によれば、アマゾンが求めているのは、電子化された本や雑誌のフルコンテンツだ。つまり一部だけを“チラ見せ”するといった提供方法は、条件として、受け入れないと出版社側に説明しているという。