JT、エチオピア大手たばこ会社を傘下に 約540億円で40%取得
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JTIが入札においてBATの2倍以上の価格をつけて落札したあと、期限までに全額を一括で払うという入札条件に対して支払いがなく、再DDを要求しているなど報じられ成立が若干危ぶまれていた当案件。正式にJTのプレスリリースもでて、取得が完了しました。
落札した際のピック
https://newspicks.com/news/1569700?ref=user_486073
追記)
JTIにとって、アフリカでの出資ははじめてではありません。
前回ピックを再掲すると、
・スーダン・南スーダンのタバコ会社Haggar Cigarette & Tobacco Factory (HCTF)社を2011年に買収
・エジプトの水タバコ会社Al Nakhla Tobacco社を2013年に買収
・タンザニアの巻きタバコ製造Tanzania Cigarette社に75%出資
アフリカ以外もみていると、JTIはおおむね年に1社のペースで買収しています。
当件に関するJTのプレスリリース
プレスリリースでは、エチオピアの市場規模は62.5億本、出資先会社の市場シェアは85.6%とされています。
https://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2016/pdf/20160715_11.pdf
当入札案件は、JTIの他、ブリティッシュアメリカンタバコ、フィリップ・モリスと世界の3大たばこメーカーすべてが応札しましたが、入れた価格に大きな隔たりがありました。BATはJTIの約半額、フィリップ・モリスは入札最低金額ぎりぎり。トップ3社において評価がこんなに異なるというのが面白いですね。JTはクロスボーダーM&Aの教科書ともいうべき企業で、過去10社以上の買収により、現在では世界第3位のタバコメーカーとして、全営業利益の60%を海外で叩き出しています。
元々専売公社という国営企業であったことを考えれば、驚くべき変わりようです。
今回のディールの詳しい内容は存じませんが、いち早く人口が世界で最も増加している地域であるアフリカマーケットに目をつけたのは、慧眼と言えます。
それにしても540億というのは通常であればかなりのディールサイズですが、業績に与える影響は軽微という発表は流石JTと言わざるをえませんね。
こうした世界規模で戦える企業がドンドン出てくるのはとても良いことです。