【最終回】ジョージ・ソロス「ブレグジットと欧州の未来」
2016/07/10, NewsPicks編集部
今こそ、団結が必要だ
【最終回】ジョージ・ソロス「ブレグジットと欧州の未来」
2016/7/10
ブレグジットという“破滅的なシナリオ”が現実となってしまった今、英国、EUはこれからどうなるのか。未来のために何をすべきなのか。投資家のジョージ・ソロス氏による寄稿を掲載する。
メルケル首相の配慮の欠如
私が思うに、これまでの英国は、欧州連合(EU)から可能な限り最も有利な条件を引き出していた。
統一市場に参加しながらユーロ圏には加わらず、EUの多くの規制についても適用除外を認められてきた。それだけ好条件に恵まれていながら、国民投票で有権者がEU離脱に票を投じるのを止めることはできなかった。
それはなぜなのか。
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コメント
注目のコメント
結局、真剣に状況を理解することに消極的な層に、しっかりと説明することができなかったことに尽きるのではないか。日経新聞だったと記憶しているが、大卒以上で、特に大学院などを卒業している層はほとんど離脱に投票した人はいなかった。それは、当然の事だと言える。現状、どれだけイギリスが優遇されているか、その後のリスボン条約の困難さを考えれば離脱に投票するのはまともとは言えないからだ。
今回の国民投票で英国民がEU離脱の判断を下したことが今後英国やEUの動向にどのような変化をもたらすのかは誰にもわからないというのが正直なところ。短期的な市場への影響という意味ではシステミックリスクにつながるものではなく、パニック売りから資金はそれなりに戻ってきましたが、いつ何がどのように動くかまったく読めないので潜在的なリスクは残り続けるということでしょう。「EUは欠点だらけのシステム」とのソロス氏の主張には同意で、EUは少なくとも再編、悪くすると瓦解する道を急速にか緩やかにかはわかりませんが辿るのではないかと思います。そもそも単一市場、経済・通貨統合というと簡単に聞こえますが、リーマンショックや欧州債務危機のような緊急事態に金融と財政は不可分であるがゆえに経済に政治が介入せざるをえず、それが一部主権譲渡しているとはいえ、主権国家の集まりという建前でE動いている以上、軋轢が生じないと考えるほうが無理な話。EUが部分的な合理性に固執して全体の非合理を看過するようでは結局瓦解ということしかないように思います。それがいつどういう形でなるのかはまだ霧の中ですが。
離脱後のポンドは事前のソロス氏の予想通り30年振りの安値に急落した。一方FT100指数は急落分を埋めてしまったことで野口教授のような楽観論も散見される。しかし、食料の90%以上を始め生活必需品の大半を輸入に依存する英国で庶民の生活に影響が出始めるのは時間の問題。中国人などの爆買いも一過性で終わる。欧州首脳にソロス最悪シナリオを避けるための早急な叡智が求められる。
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