知ろう!学ぼう!楽しもう!21
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明日(7/6)はイスラームの断食月(ラマダーン)明け。シンガポール日本人学校のサイトに断食の意義について、分かりやすくまとまった記事が掲載されていましたのでPickしました。
シンガポールは公休日です。シンガポールのイスラーム教徒(ムスリム)はマイノリティですが、各宗教に配慮して休日が定められています。
ラマダーン中のテロがうんぬん、というニュースばかり飛び交っていましたが、本来はムスリムが貧者の気持ちを理解し、お互いを助け合う精神を養うための神聖な月です。テロリストがこの月にかこつけてテロ活動をすることこそ、イスラームの精神に反します。
このひと月(イスラーム暦で)、ムスリムの人たちは断食を行い、静かに過ごし、食べ物のありがたみを感じ、貧困の人たちの苦しさを分かち合います。そして、明日は、断食明けの大祭で家族や地域の人々と喜びと感謝を分かち合う日です。マレーシアではオープンハウスといって、通りすがりの外国人でも招き入れます。
イスラームのことを勝手に語る前に、基本知識を学ぶことが大切です。イスラームに限らず、宗教や民族は、伝聞に頼るのではなく、正確な知識で書かれた資料や、正確な知識をもった人の話を聞くことが非常に重要です。
イスラームについては、テレビ等々での解説で相当おかしなことを言ってもまかり通っているのが現状です。ある意味で日常の規範に過ぎないのですが、それをイスラームだからといって、「厳格な戒律」とか、「厳しい」とか、「緩い」とかいう言葉で表現しようとする傾向は本質を見誤ります。
例えば、下記の本をオススメします。あえてテロや過激主義を主題としている本は外しました。バイアス無く、イスラームの教え、文化、社会、歴史の基本について理解するためには、長年の評価に耐えた書籍が良いでしょう。
小杉泰「イスラームとは何か その宗教・社会・文化」(講談社新書)
井筒俊彦「イスラーム文化 その根底にあるもの」(講談社学術文庫)
飯塚正人「現代イスラームの思想と源流」(山川出版)
板垣雄三編/山岸智子・飯塚正人著「イスラーム世界がよく分かるQ&A100」(亜紀書房)
SELAMAT HARI RAYA AIDILFITRI. MAAF ZAHIR DAN BATIN.
(マレーシア語で「断食明けおめでとう。私の肉体と精神における罪をお許しください」)非常に解りやすくまとまっている。
一つだけ加えさせてもらうと、喜捨には二つのザカートの他に、サダカと呼ばれるものがあり、これは時期に関係なく困っている人や貧しい隣人などに対する施しを意味する。
またザカートルフィトリは現金でなくとも米などでも代用可能で、近くにモスクなど信頼できる組織がない場合は、個々人が近くにいる困っている人々に直接手渡すことができる。
(追記)
この記事の肝は、ムスリムが書いたという点。
ネットなどでは自称「イスラームに詳しい」「アラブに詳しい」というノンムスリムの言うことが、そのもっともらしい口調や、現地にいるという状況だけで鵜呑みにされがち。
無論その全てが間違っているわけではないが、当事者ではない者の声が大き過ぎることは、ジワジワと誤解を広げる場合もある。
幸いNPでは川端さんのようにきちんとムスリムに取材や確認したものを書かれたり、現地にいるピッカーも伝聞先を明示するなど丁寧なコメントが多いと感じる。