【最終回】日本の地政学的課題
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日清戦争に勝利して締結した下関条約の第1条は
「清国は朝鮮国が完全無欠なる独立自主の国であることを確認し、独立自主を損害するような朝鮮国から清国に対する貢・献上・典礼等は永遠に廃止する」
として、朝鮮が独立国家として自主独立できることを第一に考えていました。さらに日露戦争も、ポーツマス条約の第1条で、
「ロシアは大韓帝国における日本の政治上・軍事上および経済上の利益を認め、日本の韓国に対する指導、保護および監督に対し、干渉しないこと」
と清国相手の下関条約の繰り返しのような要求を行いました。
それだけ日本にとってロシアの南下が怖かったのでしょう。マッカーサーも朝鮮戦争で「ロシア(ソ連)、共産主義の脅威(明治維新以来ずっと日本が恐れていたもの)をやっと悟った」と言っています。だからこそ、その間に立つ朝鮮には強く自立して欲しかった。
結果的に、日韓併合という道を歩みますが、地政学という観点から朝鮮を強くするためには、朝鮮に任せておけない、自分たちでテコ入れしなければ、ということになったからだと理解しています。
日韓併合という歴史的事実に屈辱感を感じていらっしゃる方が多いのはもちろん理解していますが、歴史的背景を日本の立場から考えた時、あの帝国主義時代の中、生き残るためには仕方なかったのかな、と思っています。食うか食われるかの時代、この時代背景こそが不幸な時代だったと思います。
ちなみに併合は法律に則ったものであり、社民党が言う「植民地支配」とは違う点は強調しておきたいと思います。今回は最終回にふさわしいいい内容でしたね。
地政学的制約は国家の戦略の方向性をある程度決めるが、それは時として黒字にも赤字にも作用する。
同様に戦略自体、それを進める国家の統治の枠を超えることができない。
つまり最適な国家戦略とは、時代を俯瞰して地政学的に最も黒字となりうる戦略であり、同時にその戦略を実現し得る統治体制が必要である、と言えるでしょうか。
途中多少脱線した感はありましたが、中国との地政学的な対決という歴史的シーンを迎えている今の日本を考える上で有意義な連載でした。
編集の皆様おつかれさまでした。中国の南シナ海進出を米国や南シナ海周縁に位置する国と協働で食い止めるかが日本にとって当面最大の地政学的課題。ここで指摘されているように「中台統一は、中国の太平洋に対する無限大のアクセスと日本の貿易ルートを支えるシーレーンの支配をもたらす」のは明らかで、これが成就すれば中国に東シナ海への進出を果たす道筋を与えてしまうことになるでしょう。その時に沖縄の基地問題が解決していないと日本の地政学的環境は極めて厳しい状態にさらされてしまうことになりますから、こう考えていくと早期に対処すべき課題が山積しているのが日本の実情ですね。幸いにして数年前と異なり日本は政権がそれなりに安定している状態にありますから、この時期に政府が出来うるあらゆる手を尽くしていただきたいものです。