この連載について
「フィンテック」「ヘルステック」「エドテック」など、今、テクノロジーの力を使って規制産業を変え、新たなビジネスチャンスを生み出す動きが活発化している。各業界の規制が既得権をもたらし、それゆえ国際競争に遅れをとっているとも言われるなか、果たしてテクノロジーは業界の未来を変えるのか。新興プレーヤーやそれを迎え撃つエスタブリッシュ企業、規制に精通する学識者への取材を通じて、規制産業の行く先を考える。
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この連載の記事一覧
「まだ実力が発揮されていない」電子カルテの眠れる力とは
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ヘルステックの挑戦を下支えする「医療人材ビジネス」
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医師会幹部「営利目的の遺伝子検査は全面的に禁止すべき」
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ヤフーにDeNA。遺伝子検査ビジネスの壁をどう超えるか
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【大室正志】バブルか実力か。医師から見たヘルステック
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【大室正志】メンタル対策は技術革新でどう変わる?
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人工知能診断は医師にとって悪夢か福音か
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「泣きたくなるほど儲からない」遠隔診療、普及のカギは
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産業ロボット大手が挑む「ポスト・ダビンチ手術」
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「ヘルステック」は医療業界に風穴を開けるか
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喫煙者にタバコの害を説いても禁煙につながりにくいのと同様、生活習慣病から来る疾患も然りです。
予防分野をアクセラレートするのは、「ビジネスとして取り込まれること」だと臨床家の立場からもそう思います。
頭では分かっているけど、自分は大丈夫だと思っている、もしくは、自分は大丈夫だと思いたい、ということもあるでしょう。
遠い先の不安ではなく、直近のメリットとデメリット(不安)につなげるような取り組みも必要でしょう。
年に2回の人間ドックを受けないと、自費の負担割合を増やしていきます(3割→5割→7割→9割→10割)のようなデメリットと、
年に2回の検査を受ければ毎月の保険料を減らします、のようなメリットが必要なのではないでしょうか。
胃がんのピロリ菌についてのプロジェクトが立ち上がったりしていますが、
これをやれば予防できることがわかっているものに関しては、
ピロリ菌の検査を毎年受ければ、保険料は下がり、受けないと自費負担が増えるという政策や、もしくはがんの予防保険みたいなものを保険会社が主導でやるなどすれば一気に一般的になるのではないでしょうか。
よく言われてますが、国民皆保険はいいようで悪い部分もあり、
病気になっても保険での自費負担は少なく感じるから、予防しなくてもいいやともなりますし、
病院側も病気になって、保険を使ってでも受診してくれなければお金が入ってこないので、むしろ予防しないで病気になってくれた方が儲かるみたいな仕組みになっているのも、現在の問題でしょう。
病気になった人から診療費をもらう以外に、予防医療での医療費をもらえるような取り組みをしていくことが必要でしょう。
そして、病気になってない人の予防医療に関する診療報酬が高くなるなどの政策も必要かもしれません。
http://hipconference0518.peatix.com/
収益を分析しても基本はハード売り上げが大きい。もちろんサービスに金を払うアメリカなのでサービス部分もあるのですが。
マネジメントなどのサービス部分だけだと参入障壁も低く、なかなかモデルになりにくい。
大量の資金調達をしているFINCさんも、ビジネスモデルは確立しておらず、どうやって稼ぐのかな、とはてなマークが取れないのが正直なところです
「あと〇〇歩歩くと○グラム痩せますよ」「よくできました!昨日よりスリムになった」「健康指数○点」・・・等々。
日々前進している様子をビジュアルかつ音声で伝えられれば、モチベーションがアップする可能性があります。
いくつかのコメントでもご指摘があるように、ウェアラブルデバイスに限らず、ITを活用した健康維持、生産性向上、重症化予防などの介入の効果はエビデンスの蓄積が少ない分野です。だからこそFiNC 溝口さんのような新しいリーダーに、企業や研究者とコラボしてどんどん実績を積み重ねっていって頂けたらとても素敵ですね。
個人的にFitbitさんやFiNCさんにイノベーションをもたらして欲しいのは日本の特定保健指導の分野です。詳細は省きますが、特定健診(メタボ健診)と特定保健指導(ざっくり言うと、メタボさん用ダイエットプログラム)は日本が推し進める予防事業の大黒柱の1つ。その特定保健指導の効果は平均すると-2kg程度です(プログラム期間6ヶ月、1年後の参加者と不参加者の平均体重の差を効果と定義)。この分野にウェアラブルデバイスによるイノベーションがおきたら、日本の予防事業にとってのインパクトはかなり大きいものになるはずです。