リクルートは雑種。アメリカに似ている

2016/4/4
リクルートの創業者、江副浩正とは何者だったのか。彼は日本の何を変えたのか。彼はなぜ失脚することになったのか。もしリクルート事件が起きていなければ、日本の経済界とリクルートはどう変わっていたのか。堀江貴文氏が、リクルートの関係者などに対してインタビューを行い、江副浩正とリクルートの本質に迫る。
第1回は、『リクルートという奇跡』の著者であり、事件当時、広報課長を務めていた藤原和博氏が登場する。

最後まで会えなかった

堀江 また読み返しましたよ。藤原さんの書いた『リクルートという奇跡』。
藤原 江副さんに、実際会ったことはありますか。
堀江 ないんです。最後まで会えなかったんです。
藤原 そうなんですね。
堀江 だから僕も江副さんには興味がありまして。
以前、サイトウマコトさんというデザイナーをやっている変わった人に「江副さんに会わせてあげるよ」と言われたんですが、当時、江副さんはまだ執行猶予の身で会えなかったんです。そうしたら、今度は僕が捕まってしまって、いつの間にか亡くなられてしまった。
もうちょっと江副さんに学んでおけば良かったということがいっぱいあります。
たとえば、まさか自分のところに検察が来るわけがない、僕は贈収賄なんかやらないから大丈夫だ、と思っていたんです。政治家に金も配りませんし。
でも、そこは全然本質ではなくて、僕は表層のところしか見ていなかった。学ぶべきだった部分はそこではなかった。
なぜリクルート事件が起こったのかというと、本質は「いきなり急成長した会社は必ず妬まれる」ということだと思うんです。
ですから、今、藤原さんの本を読むと全然読み方が違うんですよね。