[東京 24日 ロイター] - 三井住友ファイナンス&リース(F&L)は、コマーシャルペーパー(CP)を28日に発行する。レートは年マイナス0.001%で、マイナス金利でのCP発行は国内で初めてとなる。

発行するCPは、期日が10月3日に設定された6カ月物で、発行額50億円。

三井住友F&Lでは、CP発行に向けて23日に入札を実施。もっとも好条件を提示した参加者に発行を決めた。「CP発行は、資金調達手段の一つにすぎない。今後もマーケット情勢に沿った条件で、資金調達を考えていきたい」(財務部)という。

発行体がCPを発行して資金調達をする場合、通常であれば購入した投資家に利子を支払う。市場筋によると、今回のマイナス金利の発行コストを当てはめると、発行体は単純計算で約2万5000円の利息を受け取ることになる。

マイナス金利によるCP発行を可能にしたのは、日銀が導入したマイナス金利政策だ。市場金利が急低下している影響で、日銀が17日に通告したCP等買い入れでは、全取落札レートがマイナス0.385%、平均落札レートがマイナス0.194%といずれも過去最低を記録した。CPの流動性が低下していることもレートを押し下げた。

短期市場関係者は「マイナス金利のCPを購入した投資家は、オペを通じて日銀に売却できる金融機関ではないか。ただ、CPの購入にあたり、クレジットリスクを加味する必要があるほか、マイナス金利で購入できる投資家が限られることを踏まえると、今後マイナス金利での発行が続くとは考えにくい」との見方を示した。

*写真を加えて再送します。

(星裕康)