サウジ社会は“巨大な男子校と女子校”。しなやかに生きる人々
コメント
注目のコメント
昨日に引き続き、後編です。サウジ社会を男子校と女子校と例えるのは、サウジを長期ウオッチしてきた辻上さんならではの分かりやすい表現です。遠くに感じてしまうサウジ社会を身近に置き換えて考えることができそうです。
結婚の過程で、「この人物は良い」と同性に認められる必要があるという点は、人柄の信頼を担保できるシステムかもしれませんね。私は高校が男子校だったので、頷ける部分が多くありました。
前編「サウジのヴェール・ファッション。『抑圧」』の先入観を超えて」
https://newspicks.com/news/1410143
中東読解は3月も中〜下旬に2回分で公開予定です。第一線で活躍する実務家が登場する予定です。ご期待下さい。
追記:後編も中身の濃いコメントをありがとうございます。タイトルは編集部Tokiwaと相談して付けました。私のセンスでは、なかなかこれはできません・・・ 辻上さんには1月にも下記の緊急寄稿を頂いています。「もっと!」というリクエストを毎回のように頂くので、今後も辻上さんとは話を続けていきます。突っ込んだ話は、リアルでやった方がよいんでしょうかね・・・色々考えてみます。
「サウジのイラン断交。専門家はこうみる(東京大・辻上奈美江)」
https://newspicks.com/news/1331122たくさんのコメントをありがとうございます。ヴェールや男女隔離はアラブ世界の後進性を象徴するものとしてとらえられがちです。ですが、教育レベルが向上し、より多くの女性が労働市場に参入するようになっても、ヴェールも男女隔離もなくならないどころか、それらが新たな意味や機会を提供しているのが面白いところですね。
ちなみに『東洋経済』2月27日号では中東危機の特集が組まれています。「サウジに見る女性の地位ウソ?ホント?」も宜しくお願いします。
http://store.toyokeizai.net/user_data/contents/toyo/2016/t_9900111620.pdf男子校、女子校とは言い得て妙だ。確かにそんな雰囲気が湾岸社会にはある。
ちなみに私が結婚する時、妻の顔を初めてちゃんと見たのは婚約が済んだ直後。比較的コンサバとはいえ、アジアであるタイ深南部でそれだから、湾岸諸国の男女の出会いはさもありなん。
ナショジオの一件は、カメラマンが女性だったことで、サウジ人女性たちも気を許してしまったのだろう。掲載許可は恐らく取っていないと思う。掲載に付いて触れれば、当然彼女たち全員の許諾を得ることは不可能だからだ。
筆者のいうように、秘匿しておくべきものごとというものが世の中にはある。少なくとも当事者であるサウジ人女性たち自身が試みた行動ならともかく、部外者であるナショジオのカメラマンやライターがやったことは土足で相手の家に上がり込む泥棒と同じだ。
それにしても、湾岸社会に暮らして20年近くになるが、女性でここまできちんと女性社会を俯瞰で見られる研究者に初めて出会った。
ただ、掲載されている男性マジリス(サロンのことをアラビア語でこう呼ぶ)の写真、不鮮明な画像と撮影対象までの距離が、彼女の「女性としての」男性社会における限界を表している。彼女がこの場に入られたのは、外国人かつ異教徒だから。通常は女性を男性のマジリスに入れることは絶対にない。
(追記)
Furuyamaさんのコメントに補足すると、サウジでは男女関係なく広告媒体に人物写真を用いることはタブー。同じ商品でも、UAEやカタールでは人物が一緒に写っている広告も、サウジ向けだけは人物の入らないものに差し替えられる。
モール内のマネキンなども全て顔がないもの。
女性の撮影に関しては慎重に、ではなく絶対にカメラを向けてはいけない。隠し撮りのように撮ったのがバレたら、即警察行きである。また上げられているような政府官庁や空港などの施設での撮影禁止はサウジや湾岸諸国に限った話ではなく、それらが何の問題もなく撮れてしまう日本の方が世界的に見てもザルだということにも注意して欲しい。
(追記2)
離婚率が高いのにどうして人口が増えるのかというコメントがあるが、湾岸人は基本的に「子沢山」で、兄弟姉妹が10人以上という人がざらにいるから、人口は増える一方。