[東京 7日 ロイター] - ファーストリテイリング<9983.T>は7日、2016年8月期(IFRS)の業績予想を下方修正した。世界的な暖冬の影響から、国内外のユニクロで冬物の販売が計画を下回っているほか、在庫処分による値引き販売が利益率を低下させている。

岡崎健・グループ上席執行役CFOは会見で「想定を超える暖冬で、業績への影響はかなり大きかった」と振り返った。暖冬は、日本だけでなく、香港や台湾、韓国、米国でも影響した。春物を早めに投入して対応して行くという。

連結売上収益は1兆9000億円から1兆8000億円(前年比7.0%増)、営業利益は2000億円から1800億円(同9.4%増)へとそれぞれ引き下げた。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト19人の営業利益予測の平均値は2032億円となっており、会社計画はこれを下回った。

通期の国内ユニクロ既存店売上高計画は、期初の4.0%増から横ばいに引き下げた。下期については「気温に左右されにくい商品、売れ筋商品の投入、追加生産・減産により機動的な対応ができる体制で臨む」としている。

<値引き販売で利益率低下>

9―11月期の売上収益は前年同期比8.5%増の5203億円、営業利益は同16.9%減の759億円と増収減益となった。

国内ユニクロの9―11月期既存店売上高は、前年同期比2.3%減と苦戦した。値上げの効果もあり、客単価は同6.3%増となったものの、同8.1%減となった客数減をカバーしきれなかった。

この結果、9―11月期の国内ユニクロ事業は減収減益となった。国内ユニクロの下振れについて、岡崎CFOは「値上げの影響は限定的だった」との見方を示した。

7日に発表された12月の既存店売上高も11.9%減と2桁のマイナスと苦戦が続いている。9―11月期の売上総利益率は50.8%で前年同期比0.8ポイント悪化、会社計画も下回った。12月についても、値引き販売や在庫処分を進めたため、粗利益率は計画を下回ったという。

9―11月期の海外ユニクロ事業は増収減益だった。香港、台湾、韓国、米国などで減益となった。

欧州は気温低下により既存店売上高が2桁増収となったほか、中国も増収増益となった。中国は景気減速懸念が出ているが「今のところ景気減速の影響を強く受けている実感はない」という。

*構成とヘッドラインを整えて再送します

(清水律子 編集:田中志保)