【第6回】史上最大の金融犯罪者が使いっ走りにした日本人部下「リトル ・ホシノ」
2015/11/01, NewsPicks編集部
【第6回】史上最大の金融犯罪者が使いっ走りにした日本人部下「リトル ・ホシノ」
2015/11/1
シティ転職で雲行きが悪化
ヘイズは同業他社に転職したから、シティグループ証券で取り引きを始める前に、3カ月間の競業禁止期間を置く必要があった。ヘイズはその時間を、シティにおけるLIBOR操作ネットワークづくりに費やした。
まず東京勤務のジュニアトレーダーだったホシノ・ハヤトをロンドンに転勤させ、LIBOR参考金利の申告担当者と友達にならせ、ヘイズの望むレートを伝えられるようにした。東京銀行間取引金利(TIBOR)を決める指定銀行にシティが加わる手配も始めた。
2009年10月、ヘイズはシティの金利申告担当者と直接会うべく、ロンドンに乗り込んだ。カナリーワーフにあるシティグループセンターの上階に上がると、キャッシュデスクを統括していたアンドリュー・サーズフィールドを紹介された。
ヘイズの第一声は、「どうも。LIBORのことで、私たちは手伝いができますよ」だった。
サーズフィールドは、20年以上シティのリスクマネジメント部門にいる、気難しくお堅いイギリス人だった。はげかかった頭に、メガネをかけ、甲高い声で細かいことをうるさく言うタイプで、金融マンというより、会計士に近かった。シティのバランスシートは私が守る──。そんな自負がサーズフィールドにはあった。
newspicks.com
プレミアム会員限定の記事です
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題
コメント
注目のコメント
どこの業界・企業もいろいろな人がいる。すくなくとも本件で、サーズフィールドのような人がいたことはCitiにとって幸運だっただろうし、リスクマネジメント部門がすべき本質的な役割を果たしたといえる。リスクは取らないべきモノでも取り過ぎるモノでもなく、適切に取るべきもの。LIBOR不正は、明らかに取るべきでないコンプライアンスリスク。