ソフトバンク/スプリント4位転落と米携帯業界の現状
コメント
選択しているユーザー
最新ではないけど、USのキャリア事情がよくわかる良記事。SBの中の人は大変でしょうが、SBにはスプリントを通じたTモバイルを買収とかではなくて、US市場におけるTモバイル同様、日本の通信業界のチャレンジャーであり続けてほしいわ。
注目のコメント
本ニュースは様々な情報が盛り込まれており、少し紐解かないといけない部分もあります。
まずTモバイルの躍進とスプリントの低迷は相関はありながらも単純に「Tモバイルが勢いがある」面が大きい。ポストペイドの純増数を見ても、シェア・シェアに対するTモバイルの割合は大きく、単純にここはTモバイルの勢いでしょう。
またスプリントの低迷は、日本での悪しき成功である「プリペイド方式」で勢いをつけたように見せつけた過去戦略が完全に裏目に出た印象。
日本ではガラケー時代にこれで食いつなぎ、iPhoneというホームランで結果成功してしまった、が、それを今の時代にまたやってもホームランは出にくいスマホ成熟期だった、と感じています。
最後に、とはいえスプリントはソフトバンクから潤沢な資金が注入され、ネットワーク設備の構築を可能な「日本の膨大な資金源」があること。2GHz帯のTD-LTEスモールセルは光ファイバー網をどのように獲得できるか、ですが、獲得できれば光張出し方式で、比較的廉価に都市部の高速化は期待できますね。
とはいえ、ネットワーク設備競争もあくまでも付加価値に近いレベルになってきているので、前途多難なのは確かですが。
最後に余談。
AT&Tの株式を大量に保持し、3Gのネットワーク入札で弱体化したときに株を売り、数千億円の損失を出したNTTドコモ。。
彼らの失敗を内部で忸怩たる思いで見ていた身としては、そのような手放し方だけはせずにがんばってもらいたいとイチ日本人としては思うところもあります。私も留学していた2010年頃、Tモバイルを使っていました。理由は簡単。学生向けに安いプランが存在したから。大手4社の中でもスプリントは顧客ターゲティングが中途半端だったかもしれません。顧客が獲得できず収入が伸びなければ、ネットワークへの投資余力を増加させることもできない。まさに現在の「一旦、資金不足などでネットワークの更新が遅れる悪循環に入ると、ふたたび追いつくことは至難の技」という状況に陥ります。
ソフトバンクが取りうる方向性は2つ。1つはネットワークを整備しつつ、かつ、顧客ターゲティングで差別化を図り、着実に顧客を獲得していくことですが、現在は各社とも顧客離反率が低く、顧客の固定化が進んでおり、これはなかなか厳しい選択。もう1つは、とにかくコスト削減に徹すること。ネットワークも最低限のものにして、EBITDAを改善し、売却交渉を有利に進められるようにすること。もちろん、顧客の期待を裏切らない範囲で、ですが。