コミュニケーション下手の自分が、営業をやっていていいのか
2015/09/14, NewsPicks Brand Design
山崎氏が考える「営業力の本質」とは
コミュニケーション下手の自分が、営業をやっていていいのか
2015/9/14
NewsPicksには、さまざまな分野で活躍する有力ピッカーがいます。そんなスターピッカーに「ビジネスや人生の相談をしたい」という要望に応えて、相談コーナーを設けています。人生の悩みにお金の心配や不安はつきもの。長年ファンドマネージャーとして活躍したエコノミストの山崎元氏が、皆さんから寄せられた相談に、ユーモアを交えながらも深刻にお答えします。
【山崎先生への相談】
SIerで技術営業をやっている30代の者です。山崎先生の相談へのご回答、いつも楽しく拝読しております。さて、私の悩みは、明らかなコミュニケーション下手にもかかわらず営業を担当している、ということです。もちろんシステムを売る技術営業のためサービスや商品への深い知識が問われますが(それには自信があります)、お客さまのニーズを読んで、そこに向けた言語を器用に並べることが、からきし苦手。
それでも商品力があるために、製品は結構売れてしまうのですが、先日私の担当するお得意様から会社になにげなく営業をチェンジしてほしいとの依頼が入ったようなのです。これでますます自信喪失しました。
山崎さん、30代過ぎてコミュニケーション力をあげることは可能なのか。だとしたらその方法を教えてください。
(SIer、男性、30代)
コミュニケーション力と営業力は別物
自分の話で恐縮なのですが、回答者は、わがことながら、まずまず優れたコミュニケーション力を持っていると思っています。しかし、営業力がありません。
伝えたいことが明瞭に伝わるように話をする。内容が明快で目的に応じて適切なトーンの文章を書く。正確で適切なコミュニケーションに必要な伝達力について、回答者は自分自身に対して「素晴らしくはないが、まあまあだ」と自認しています。
また、率直に言って、回答者は、相手がいま何を欲していて、何が不快であるかを、かなり正確に推測できます。若いサラリーマンだった頃に、回答者は上司から「ヤマザキ君は、他人の気持ちがわからないよなあ」としばしば言われましたが、こちら側から見ると「お前さんの一番嫌なポイントはよくわかるから、そこを突いているだけなのだよ」ということでした。
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コメント
注目のコメント
>30代過ぎてコミュニケーション力をあげることは可能なのか。
可能に決まってる。プライベートな性格そのままで自然と顧客に好かれて商品も売れる人なんて滅多にいない。営業は、心理学の知識と商品販売のための知識に基づいたアプローチを、人、会社、場所、すべてが異なる状況で臨機応変かつ正確に実践するという、高度な技術職。コミュニケーションを上手く図るにはどうしたらいいのか、そうした知識を磨き身に着ける努力さえすれば、確実に改善できる。
>コミュニケーション力には、一に「聞くこと」
「聞くこと」の重要さは、営業なら誰もが認識している。顧客の悩みや課題を聞き、それに最適な商品を提案して役に立ちたいと思っている。問題は、どうやって顧客から悩み、課題を聞き出すのか、その方法である。自らべらべらと話してくれる顧客は稀だからだ。
聞くための方法とは、ズバリ「質問」に他ならないが、質問の仕方にコツが必要。意識をしないと、いわゆる「質問攻め」になってしまう。そしてそのコツを知っている営業は本当に少ない。前職では上司に依頼されて営業マニュアルを作成し、新入社員の営業研修を担当していたが、聞き方を意識するだけで顧客の反応が変わる事に皆驚いていた。コミュニケーション能力と営業力に相関関係はあるのか?
なんとも難しい質問。ありそうでない、と思う。コミュニケーション能力高い人が営業を志望する傾向が強いため、母数で比較できないが、コミュニケーション能力低くても成果を上げてる人はたくさんいる。おっしゃるように、コミュニケーション力と営業力はイコールではない。営業は技術であり科学であると思うので、どんなにコミュニケーション下手でも訓練によって十分鍛えられる。
でも一方で、コミュニケーション下手を言い訳にすると、営業に限らず人生全般において大きく損をする。意思を正しく伝達することができず、相手の意を汲まず、影響力を発揮できず、不要な争いを呼び起こす。
コミュニケーションは本質的な能力であり、言い訳にするものでも逃げ道でもない。30代を過ぎてるとかそんなの関係なしに、自身のコミュニケーションを見直した方がいい。