<五輪エンブレム中止>佐野氏がコメント「人間として耐えられない限界状況」【全文】
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注目のコメント
こんなことが許されて本当に良いのか。全く別の問題を理由にして佐野氏を貶め、エンブレムまで取り下げさせるという方法論が成立する社会に憤りを感じざるを得ない。尻馬にのって叩いている人や馬鹿にしている人達はネットの向こうに現実の人間が居るということを忘れてるんじゃないか。理解できないものを集団で悪意をもって叩き潰し、彼の人格やこれまでの努力を全て否定するという構図が見るに堪えない。
あんまり憤りを感じたり怒ったりしない方だけど、今回の件は本当に酷いと思う。この問題については、佐野氏に反省してもらいたい点もあれば同情したい点もある。むしろ、何故オリンピックに関して国立競技場問題やエンブレム問題と、次から次に世界に向けて恥ずかしいニュースが流れていくのか?私なりの見解をまとめてみたい。
第一に、今回の東京オリンピックという世界的大イベントに、全くマーケティングが欠如しているという問題が大きい。第二に、21世紀のネット情報社会というものを当事者が理解していないという2点に尽きる。
まず、この東京オリンピックのコンセプトは? 組織委員会の公式ホームページによると、ビジョンをクリックすると次のようなコンセプトが出てきた。
スポーツには世界と未来を変える力がある。
「全ての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」、
「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」、
「そして、未来につなげよう(未来への継承)」
を3つの基本コンセプトとし、史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とする。
これは「ビジョン」であって「コンセプト」ではない! 「ビジョン」とは「こんなオリンピックにしたい」というもの。「コンセプト」はその「ビジョン」を達成するためのこだわりやテーマ、すなわち「ビジョン」を実現するための道筋です。私なら、イノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらすのであれば、世界的に課題となっている「エコ」・「サステイナビリティ(持続性)」というコンセプトを持ってきます。そうすれば、あんなコストのかかる競技場デザインは承認しないし、佐野氏も明確なコンセプトにそってエンブレムデザインが出来たはず。プロのデザイナーとして、もっと明確なコンセプトを要求しなかった事が?です。ちなみに、組織委員会の公式ホームページのマーケティング欄をクリックすると、お金集めのスポンサーシップの話でした(笑)役員・顧問の名簿を見ても、およそマーケティングを分かってそうな人は一人もいない。さて、第二の問題はネット社会の怖さです。いい加減な事をしていると、国民全員がそのいい加減さをネットで検索して世間に晒す時代だという事。この危機意識が、組織委員会を含め全ての当事者に欠けています。世界中の人が注目するオリンピックだからこそ、マーケティングの実践を提唱します。