女性版「ダボス会議」をつくった外務省・松川氏の「なんで駄目なの」思考術

2015/9/1
昨年4月に安倍総理の肝いりで外務省に新設された女性参画推進室。外交における女性問題を推進する同室の初代室長に任命されたのが、松川るい氏だ。東大法学部在学中に外務公務員I種に合格。入省以来、FTAの貿易交渉やASEAN協力、ミナミマグロの調査漁獲に関する国際裁判、国際宇宙ステーション業務、国連の核軍縮代表部での核軍縮交渉など、多岐にわたる政策を経験。現在2歳と7歳の子どもの育児のため、午後7時半には退省するという限られた時間の中で、どのような思考で省務を遂行しているのか──。  

思いついたアイデアはなんでもすぐにメモする

今、私の頭の中は完全にワン・モード。担当する「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW! 2015)」の開催が8月28、29日に控えているからです。「WAW!」は昨年、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事を招聘(しょうへい)し、メディアで大きな話題となり今年は2回目ですが、この会議の英語名は、私が考えました。
日本語の正式名称は「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」ですが、それでは字面が長すぎる。英語にするともっと長くて、通訳もしにくい。だから、簡単に覚えてもらえる名称を考えたのです。
名称を考えるにあたっては、最初から、名称そのものではなくその「略称」がキャッチーで「ワオ!」のようにパッと見て、言いやすく、意味があるフレーズにすることを目標にしていました。そうでないと覚えてもらえないからです。本当は「WOW!」にしたかったのですが、どうしてもOに当たる「集まり」を意味する言葉が見つからない。
それで「World Assembly for Women」で「WAW!(ワウ)」としたのです。しかもエクスクラメーションマークも付けて。あるのとないので大違いです。誰もが言いやすく、見た目に覚えやすい略称でなければと思っていました。
今年は、ただの遊び心ですが、私が会議のハンドサインも考えました。両手のひらを広げて、WとAを表わすサインです(下の写真を参照)が、これはみんなと話している中で思いつきました。人間の認識能力の8割は視覚だそうです。