インフォグラフィックで復習。オープンガバメントの歩み
2015/8/29
本シリーズでは、人物、歴史、出来事、キーワードをインフォグラフィックやスライドなどのビジュアルを用いて解説していきます。
初回テーマは政府が推進する「オープンガバメント」。その基本概念をアメリカ政府の取り組みとともにおさらいします。
魔法の言葉「オープン」
オープンソース、オープンイノベーション、オープンデータ、オープンガバメント……。誰もが同じ情報を手にし、同じように参加できる開かれた状態。これまで接点のなかった人々が協力し、課題解決に当たる。
「オープン」とは、魔法のような言葉だ。この言葉が頭についた途端、開放的であり、無欲的であり、前向きな感じがしてくる。手軽に好印象を与えられる危険な言葉とも言える。「開かれた政府」と聞いて、嫌になる人はいないだろう。だからこそ、具体的な政策が問われるわけではあるが、その成否の一端は、政府が開けたドアをくぐる僕らが握っている。
「オープン」には、2つの性質があるからだ。1つが「公開」で、情報を公開することで透明性や信頼性を高める。もう1つが「開放」で、情報を誰でも活用できるようになることで、協働を生み、社会変革につなげる。
活用するのは誰か?
ホワイトハウスでオープンガバメントを推進してきたベス・ノヴェックはTEDで政府の立場から次のように語っている。
ここではっきりさせましょう。おそらく物議を醸すことでしょう。オープンガバメントというのは、透明な政府という意味ではありません 単に政府のデータを公開しただけでは、政府を変えられません。
呼応するように、Code for America設立者のジェニファー・パルカは、国民の立場からTEDでこう述べた。
多くの人が政府への期待を捨てています。もしあなたがそうだとしたら、どうかもう一度考え直してみてください。物事は変化しているからです。政治は変わっていませんが、政府は変化しています。政府は最終的にはわれわれから力を得ているのです。われわれが問題をどう考えるかによって、変化がどのように起こるのかに影響を及ぼすのです。
オープンガバメント推進が政府の変化の兆しだとしたら、それを大きな動きにするにはマインドシフトが必要だ。変化に反応する企業や団体、個人を後押しする社会の仕組みも求められている。
内容協力:ICTことば辞典
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『ICTことば辞典 ネット時代のニュースがよくわかる250の重要キーワード』
(インフォグラフィック・文:櫻田潤/編集協力:江口晋太朗)






