演劇か大学か、親と衝突「人生の可能性を減らすな」
2015/07/27, NewsPicks編集部
第3話:父の言葉
演劇か大学か、親と衝突「人生の可能性を減らすな」
2015/7/27
父親の言葉で大学進学を決意する
勉強に興味を失っていた私は、高校卒業後は芝居の世界で生きていこうと決めて、親に「私は演劇をやりたいので大学に行く必要はない」と宣言しました。
当然、大ゲンカです。何度も衝突を繰り返しました。最後に父親が言ったのが、次の言葉です。
「人生、生きていると可能性というのは放っておいても必ず減っていくのだから、自分から進んで可能性を減らすな。大学には必ず行け。大学に行ったらあとはもう好きにしていい」
この言葉には私はついに折れて、大学に進むことにしました。とにかく東京で演劇ができればどこでもいい。一年間浪人して、東京学芸大学に進学します。
当時は慶應のSFC(湘南藤沢キャンパス)が独自の分野に特化した画期的な大学だと話題になり、ほかの大学でもSFCのような学部が生まれていたときです。
私の進んだ東京学芸大の総合社会システム学科もそのひとつ。国立ですが、3教科と小論文だけでいい。私は中学高校と何しろ討論ばかりしていましたが、小論文は大得意です。英語はできないけれど、数学だけは好きだったのでなんとかなる。
とはいえ勉強してできるようになったわけではなく、「過去の遺産」が維持されていただけです。しかも私の問題の解き方は、これまた面倒くさいものです。
普通は途中の過程を飛ばすために公式を用いるのに、私はテスト時間中に公式の中の構造まで全部試す。一個ずつ確かめていかないと気が済まない。
でも200点満点で190点ぐらいは取った。おかげで3教科受験で東京学芸大学になんとか合格することができました。
東京学芸大学でアングラ演劇に没頭
とにかく演劇をやりたかった私は、すぐに大学の劇団に入ります。
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注目のコメント
【第3話】エリートサラリーマンのお父さんから言われた言葉。頷かざるをえない。「人生、生きていると可能性というのは放っておいても必ず減っていくのだから、自分から進んで可能性を減らすな。大学には必ず行け。大学に行ったらあとはもう好きにしていい」
役者は役者だけしていればいいというわけにいかず、全員、スタッフと兼務
舞台の全体感が掴める取り組みだと思います。同じ舞台でも役者から観るのと、観客から、大道具から、監督から観るのでは景色が違う。それぞれをイメージする全体感を得られるのはとても貴重な機会です。