2024/10/11

【激戦】Suicaはどうなる。「クレカで改札」の拡大が止まらない

NewsPicks 副編集長
クレジットカードで電車に乗る、バスに乗る。そんな光景が日本各地で広がりつつある。
クレカの「タッチ決済」はコンビニや飲食店などに浸透し、日本の対面決済における比率は、2024年6月時点で40%まで上昇。2026年には70%になると予測されている。
そんなタッチ決済が交通機関にもやってきた。東京や大阪を中心に、大都市圏で実証実験や本格運用が始まっている。
このインフラを担うのが、ビザと三井住友カード。独自の決済ネットワーク「stera transit(ステラ・トランジット)」を共同開発した。
PayPayなどQRコード決済の猛攻で、クレカは日常の“お財布”の座が危うくなった。
タッチ決済はまさにその対抗策であり、交通機関で使えれば、日常使いの頻度は一層高まる。ビザは世界の交通機関で実績を挙げ、ここ日本でもその戦略を進める。
一方、これまで交通機関の決済のスタンダードだったのは、交通系ICカードだ。その筆頭がJR東日本の「Suica」である。
クレカの勢力拡大に合わせるかのように、JR東は未来のSuica構想を発表した。
そして今、鉄道を起点とした経済圏の争奪戦が始まろうとしている。
INDEX
  • クレカ乗車、東京・大阪で続々
  • 単なる「切符の代替」ではない
  • 交通系ICに逆風、どうするSuica
  • JR東の反省がデジタル化を後押し
  • 進化するSuicaとクレカの勝負

クレカ乗車、東京・大阪で続々

今年8月、東京・汐留で開催された三井住友カードのイベント。交通事業者など100人規模が集まり、ステラ・トランジットの今後の戦略が披露された。
「2025年には日本全国で使える環境が一気に整う」